こぎ父がこぎ母の体のことを心配し、かかりつけ医の病院で健康診断を受診しました。
検査項目に異常はなかったようで、帰りにスーパーで分厚いお肉を買って来てくださいました。
車で病院に迎えに行ったツレが、買い物袋から取り出したお肉をお台所の机に出してくれました。
お肉を見てらっこ。
「ええっと、どうすればいいのかしら」と戸惑ったことは、内緒です。
こんなお肉、触るの初めてです……
らっこがお肉をおいしく焼くには、道のりが……
豚ロースのステーキ
豚ロース 厚いの6枚
塩コショウ 適量
サラダ油 適量
<おまけのタレ>
生姜のすりおろし 大さじ1くらい
しょう油 生姜がひたひたなるくらい
てんさい糖 小さじ1強
参考にできそうなシンプルな焼き方のページを発見。
書いてある通りにはいきませんなあ。
豚ロースのステーキ
1.包丁の先端で、脂身と赤身の境目に切れ目を入れて、焼いているときに縮むのを防ぐ、のだそうです。
(ん?らっこが焼いたら、思いっきり縮んで反り返ってましたけど?)
2.お肉の両面に塩コショウを振り、油をしいたフライパンで焼きます。
中火で2分、弱火で5分、ひっくり返して弱火で1~2分。
(ん?焼き加減がわからないので時間は目安であてにできませんぞよ)
3.焼き色がついて透明な肉汁が溢れてきたら出来上がり。
(ん?肉汁が出たらひっくり返した面に焼き色は付きませんでしたよ?え?美味しいお肉って?え?)
4.おまけ
すりおろした生姜としょう油と砂糖を合わせて、肉汁が残ったフライパンで煮立たせます。
焼いたお肉にかけて食べるとあらまあ、やたら贅沢な生姜焼きの完成です。
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こぎ父がスーパーで買って来てくださったお肉です。
厚みが1cmくらいはあろうかという豚ロースの切り身が6枚。
はてな?こぎ父が選んだのか、ツレが選んだのか聞きそびれましたが、こぎ母はお肉を見て「あまりおいしくなさそうだわ」と思っていたそうです。
焼きあがったステーキを食べたら思いのほか美味しかったようで、上記のように思っていたのだと白状してくださいました。
結果オーライ?本当に?
らっこは、お肉の見分け方にあまり興味がないため、大きいことと、分厚いことと、白い脂身が大きいな、といった感想でした。
一番は、「どうやって食べよう(汗)」でしたけど。
脂身は、切り取ってしまおうかとも思いましたが、切ると一回り小さくなるような気がして、せっかくの大きなお肉の塊、そのまま焼くことに。
「この大きさを塊とは言わない」とかいう感想はご自由に。
らっこにとっては十分「塊」です。
脂身の境に切れ目を入れて、焼いたときの縮みを防ぐという。
ぐさくさ。
買ってきたパックのままでやるなって?
まあ、いいじゃないか。
6枚全部に両面切れ目を入れ、塩コショウを振ります。
パックのまま。
お肉のパックの下に敷いてある紙って何なんですかね。
もういらないかしら。はずしましょう。
6枚全部、両面に振りました。
お肉はトングで掴んで作業しました。
ビバトング。
塩コショウを振るのに、手でお肉を扱うのはアンバイが悪い。
菜箸ではトングほどがっつり掴めないので、もっと手間取ってしまいそうです。
ありがとうトング。
熱したフライパンに油をしいて、お肉を並べます。
トングで。
これなら熱いフライパンも怖くないわ。
そんな予感はしていましたが、6枚お肉があるのに、一度に焼けるのは4枚まででした。
中火で焼いていると、だんだんお肉が縮まって、赤味の部分が反り返りました。
読んで参考にしたページには、そういえば、フライパンの直径よりも小ぶりな鍋のふたなどを重しにして、できるだけ平らにフライパンに焼き付ける、みたいなことが書いてあったような。
重しがわりの何かを用意していなかったので、らっこはトングで上から押さえつけていました。
トングでは無理がありました。
弱火にして、中まで焼けるのを待ちます。
ひっくり返すと、こんなもんかしら?焼き色は付いています。
反り返っていますけど。
切れ目を入れた効果というか、意味はどこに行ったのかしら。
弱火でじわじわ。
いつの間にか、フライパンに、透明な肉汁がたまっていました。
これは旨味か?流れ出ちゃっているのか?
これが焼けたサインか?
透明な汁が出てきたと思っていましたが、写真で見るとそれほど透明でもないなとか。
一つひとつの工程が、疑問だらけでどうしましょう。
お肉を焼くのは性に合わない気がします。
焼けた(と思っている)4枚をお皿に取り、残りの2枚も焼きます。
肉汁の汁で……
いいのかこれで?
と疑問に思ってもなぜか突き進むらっこです。
2回目の2枚は、焼いているとめちゃくちゃ反り返りました。
イナバウアーかと思いました。
ひっくり返すと、焼き色、ほとんどついていません。
気にしちゃいけない。
らっこには向いていません。
最初に焼けた4枚は、ひとり1枚ずつ、ナイフとフォークを用意して、「いただきます」
豚ロースのステーキの余談
なんて贅沢なんでしょう。
こーぎー家に来て、はじめてナイフとフォークをセットで出して使いました。
ナイフは、棚の下の奥の方にあったのを引っ張り出しました。
はじめに食べやすそうな大きさに切り分けて、(あれ?左のフォークの方から切るのかな?)あとはお箸でつまんで食べましたけど。
お肉を全部焼いた後に、フライパンに残った肉汁。
生姜をすりおろして、しょう油と砂糖を加えて溶かしたタレを加えて煮詰めてみました。
ステーキにかけると生姜焼き。
おお。
生姜の辛味がきいて塩コショウだけよりもらっこ好みの味でした。
ツレも、「おっ、生姜焼きだ!」と言ってくれていい反応です。
生姜焼きって、こういう作り方ではないよとか、自分で自分にツッコみつつ、「生姜焼きのような味わいのお肉」を堪能しました。
あまり冷める前に食べてしまえと張り切って、最初は多そうだなと感じたお肉1枚、ぺろりと平らげてしまいました。
あっという間に空になったお皿に気づいたツレに、
「全部食べた?」
と驚かれました。
「はい!」
と答えるらっこは、無意味にどや顔です。
脂身は、食べなくてもいいなら食べずに残したかったと、口に入れてから思いました。
飲み込みましたけど。(頑張った涙)
ツレも、肉の脂身にはトラウマがあり、できれば食べたくないのが本音だそうですが、全部食べてくれました。
すまんよう。
ありがとうよう。
次また焼く機会があるかはわかりませんが、できれば脂身は取り除く方向で検討します。
81歳のこぎ母には、少し多いかしらと思いつつ食べる様子を見守っていましたが、お肉に飢えていらしたのか、美味しいと美味しいと喜んでくださり、1枚と2回目に焼いた追加のもう少し、おまけで食べてくださいました。
お見事。
贅沢なひと時をありがとうございました。
お肉の焼き方がよわわからないままの件は、おいしいと言って食べてもらえたので、ひとまず置いておきます。
お肉マスターにはなれなくていいのです。
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こぎ母の主治医のいる総合病院では、どのような説明だったのか詳細は不明ですが、現行の診察科目以外は診てもらえないと、少々無下にされたような話でした。
主治医に相談するまでの事情と経緯がこぎ父にはあったのですが、うまく伝えられなかったのでしょうか。
相談をしに行ったこぎ父は、心配が心配を重ねたようになっていました。
ご自分のかかりつけ医に通院した際、相談したところ、こぎ母の健康診断を受診できることになったようです。
こぎ母本人は、今は悪いところがあるような気はしないから、検査は受けなくても別にいいじゃないのと、そうなったらその時は仕方がないんだと、どっしり構えて覚悟もしているご様子でしたが、心配しているのはこぎ父。
目に見えるかたちでの「問題なし」が必要だったようです。
受診後、でんと構えていたこぎ母も「自分の病気は治った」と思えるようになったようで、友だちや家族に、「すっかり元のこぎ母(ご自分の名前)に戻りました」と報告をされていました。
言葉が実際に即しているかどうかよりも、そう思えることが大切なのでしょう。
分別を終えたプラスチックごみが野菜室に入っていようと、ビニール袋に入った雑巾が冷蔵庫で冷やされていようと、「全部OK」「問題なし」
一緒に過ごせている今が当たり前ではないことをかみしめながら、今夜も眠りにつきます。
ごちそうさまでした。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。