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節分の豆まき。鬼は~外ぉって叫んだら、神聖なお豆が出来ました。

豆まき 神聖な豆

こんにちは。

コーギーをこよなく愛するこーぎー(ツレ)を愛するらっこ(33)です。

2月3日は節分です。

子どもの頃、幼稚園の教室で豆まきをした記憶があります。

その後、年を取って長年お豆を食べるだけだった私の節分に、変化がありました。

「豆まき」

やりました。

33歳の女がひとり(ふたり?三人?)、節分の日に豆まきに目覚めたお話です。

 

おには~そとお。ふくは~うちい。

トイレで用を足していると、家のどこかから聞こえてきました。

そうだ。
今日は節分だ。

昨日の夜、こぎ父(ツレのお父さん)が節分の話をしていたことを思い出しました。

「お豆は落花生があるから準備はできているよ。
近所ではもう豆まきする人はいないねぇ。
うちだけだよ。豆まきやってるのは」

「私は恥ずかしいから声は出せませんよ。
小さい子どもがいる家でもないんだから」

豆まきをする気満々のこぎ父とは対照的に、こぎ母(ツレのお母さん)は豆まきには消極的な物言いでした。

おそらく家のどこかで、こぎ父がひとり、落花生を投げているのだろうと想像します。

おぉぉおぉぉおぉおおぉおおおおお。

胸が騒ぎました。

トイレを出るとさっそくツレに、

「今日、節分ですよっ。豆まきしましょうっ!」

とりあえず勢いで誘ってみました。

「そうだなあ。やるか?」

すぐに腰を上げてくれたツレに、

「でも私、やり方わかりませんよ?
どうするんですか?
お豆は?
何をすればいいんですか?」

ワケの分からないことを続けて尋ねると、

「親父にきけばいいさ。
どこにいるんだ?
2階か?
ほらほら。
ききに行こう」

1階にこぎ父の姿が見えなかったので階段を上ると、ちょうど手に落花生を持ったこぎ父が降りてくるところでした。

「豆まきを・・・」

教えてくださいと私が言う前に、

「おお。らっこさんもやってくれるんだね?」

「はいええ」

「この部屋はさっきやったんだけど、もう一度ふたりでやりなさい」

言われるがまま、普段ツレと私が寝ている2階の部屋に入ると、ベランダの前に置いていた椅子の上に落花生が7、8個置かれています。

少し戸惑いながらも、椅子の上の落花生を手に持つと、

「外に投げるともったいないから、投げる振りだけね」

こぎ父は振りでいいと言うのですが、せっかく殻付きの落花生なのだからと思い

「殻だけでも投げましょう!!」

そう言って落花生を一つ、殻を割って半分になった落花生の殻をひとつ、ベランダの窓から庭に向かって、

「鬼はー外」

もう半分の殻をつまみ、

「福はー内」

中身を失い軽い殻だけの落花生は、ひらひらと揺られながら静かに庭に着地しました。

落花生だけに。

私の後ろでニヤニヤしながらその様子を見ていたツレと、中身の落花生を一粒ずつつまみます。

 

なんだか美味しい。

 

こぎ父も満足してくださったのか、

「あとの部屋は任せるよ」

と言ってくれました。

 

ツレと1階のパソコン部屋に戻ると、

「この部屋でもやろう」

とツレがやる気満々でカメラを構えました。

豆まきするのは私。

庭側の窓を開け、今度はこぎ父に倣うことにしました。

殻だけ投げても軽くて投げた気があまりしないので、

「気持ちだけね」

そうツレにことわって、

豆まき 庭に向かって

「鬼は―外。福は―内」

右手にお豆を持ち、叫んで豆まきの素振りだけして、左手に戻す。

それだけです。

 

 

不思議です。

 

不思議なのです。

 

投げたつもりで左の掌に戻った落花生が「神聖なお豆」のように見えるのです。

満足した私は、

「お豆が神聖なお豆になっていますよ」

神聖なお豆 落花生です

少し興奮しながらツレにお豆を見せたのですが、反応はイマイチ。

「ふうん?そうか。こっちの窓からもやろう」

そう言って、通りに面した窓を開けます。

豆まきは、窓の数だけやるようです。

 

「鬼はぁぁぁぁぁぁぁぁ外ぉぉぉぉぉ
福はぁぁぁぁぁぁぁぁ内ぃぃぃぃぃ」

 

家の反対側から、こぎ父の、威勢のいい声が聞こえてきます。

こぎ父の豆まきに対する心意気に負けていられません。

「鬼はああ外おっ!福はあ内ぃ!」
(手に持った落花生を投げる素振りだけ)

豆まき 部屋の中から

照れがまだ抜けきりません。

「玄関もやろう」

ツレに促され、玄関でも叫びます。

豆まき 玄関で

「鬼はーー外っ!!福はーー内っ!」

 

「鬼はぁぁぁぁぁぁぁぁ外ぉぉぉぉぉ
福はぁぁぁぁぁぁぁぁ内ぃぃぃぃぃ」

 

こぎ父の声だけがどこかから響いてきます。

掌のお豆を見つめると、やはり豆まきする前のなんでもないお豆が、神聖なお豆に変わっています。

神聖なお豆がたくさんできました。

言葉の力はすごい。

結局ツレは、一度も叫びませんでしたけどね。

 

 

夕食の後、ツレと歯を磨いていたら洗面所で見つけました。

豆まき 洗面所

ツレの向こう側。
洗面所の窓のところに、落花生。

豆まき 洗面所

夕食のとき、お台所の窓のにも落花生がふたつ並んでいるのを見つけていました。

「早い者勝ちですから、みつけた人が食べてください」

こぎ父が言っていたのはこのことかと思いながらも、なんだか妙なところに置いてあるものですから、面白くって置いたままにしておきました。

豆まき トイレ

トイレの窓。

抜かりないなあと思いながらもそのままにしていたら、こぎ母にみつかって

「あんなところに置いて。
どうするんですか。
まったく」

怒られているようでした。
(声だけ聞こえてきました)

先に回収すればよかったかな?

豆まき 風呂場

お風呂場の窓。

抜かりないなっ。

どうりで家のあちこちから声がしたわけです。

威勢のいい声を張り上げて、落花生をちょこんと窓に置いていたんですね。

お風呂場の落花生がアヒルのようにも見えてきました。

豆まき 風呂場

こうして見るとひよこでしょうか。

面白いから置いたままにしておきました。

翌日、私が起きたときにはもうお風呂場のアヒルはいなくなっていました。

 

 

豆まきのをしてくださったこぎ父のおかげで、すっかり家の邪気が払われたようではありませんか。

なんでもいいことがありますように。。。

 

来年の節分は、私も威勢のいい声が出せるといいな。

ツレは来年も、見ているだけかしら。

恵方巻とはまったく縁のない節分でした。

 

2月3日にまいた落花生は、次の日、ツレと二人で散歩の休憩中にいただきました。

美味しかった♪

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