らっこです。
要介護のこぎ母を怒らせてしまいました。
珍しくこぎ父が出かけていた日の夕方。
こぎ母に夕飯の支度をしてもらっている最中。
いろいろ省略しますが、何をしようとしていたのかわからなくなってしまったり、お米を研いだことをご自分で忘れてしまっていたこぎ母に、「忘れちゃったんですね」と言ったら「もう耐えられない。頭がパーだと思ってバカにして。許せない。もうやらない。一切触りません」大体そんな風な言葉が返って来ました。
こぎ母を怒らせてしまいました。
たぶん、ばかにしていたのでしょう。
そんなつもりはないつもりですが、脳出血の後遺症で脳の機能に障害が残ってしまっていること、あんなことやこんなことを忘れてしまったりするという事実を、受け入れられていないのでしょう。
らっこが。
忘れてしまう人に忘れないような人と同じように対応してしまうのでしょうか。
「やらないっていうのは、お米を研いだりお味噌汁をもう作らないっていうことです?お箸用意したりとか、そういうこともしないってことですか?」
「全部。もうここ(台所)では何もしない。触りません。もう嫌だ」
大体そんなやり取りを経てこぎ母が台所を出て行ったので、らっこはツレを呼びました。
呼ぼうとして、気が付いたら叫んでいました。
「こーぎーさん!もうだーめ!お義母さんを怒らせちゃったのー!無理だ!もうできない!だーーーめーーーー!わーーーー」
だいたいこんな感じでしょうか。
発狂していました。
庭作業をしてくれていたツレがすぐに駆け付けてくれ、落ち着いた声で落ち着くように声をかけてくれました。
膝をついて両手で顔を覆いながら、わー!わー!叫んでしましたが、ツレの声のおかげかすぐに呼吸は整い「お義母さんがもうご飯の支度はやらないって言ったので、夕飯を作ります。お義母さんのところに行ってあげてください」とツレに告げて、らっこは夕飯の支度にとりかかりました。
叫んだ時には両目は乾いていましたが、お味噌汁に入れる玉ねぎを刻んでいる時にはうるんでいました。
こぎ母はツレに「らっこさんに悪いことをしてしまった」と何度も言って泣いていたそうです。
らっこはいったい、どれだけ人を傷つければ気が済むのでしょうね。
しばらくするとこぎ母はお台所に戻って夕飯の支度をしてくださいました。
結局、なぜかこぎ母に謝らせてしまう始末。
夕飯の前にこぎ父が帰り、何事もなかったかのようにこぎ父が買って来てくださったアジフライを4人で食べました。
こぎ母がこぎ父かツレにらっこがいかにひどい人間かと悪口でも言って発散ができれば違うのかもしれませんが、こぎ母はため込んでしまうのかと思います。
これまでもこれからも。
こぎ母の糸が切れてらっこの糸も切れて、らっこは発狂しましたがツレがいてくれたおかげで落ち着きました。
らっこが何か叫ぶ声を聞いて、ツレは何か大ごとがおこったのかと、こぎ母が倒れたのか火事でも起こったのかと思ったそうです。
ツレとこぎ父の糸もいつか切れる日が来るかもしれませんが、ひとりじゃないので乗り越えられるんじゃないかと思います。
これからは、こぎ母が忘れてしまった出来事は全部、小さい小人さんがやったことにしようと考え付きました。
そういうことじゃないのかもしれません。
読んでくださりありがとうございます。
生きとし生けるすべてのものの心が安寧であれますように。合掌
らっこ。