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こぎ母のサツマイモカレー。おいしくできました|らっこ

こぎ母が作ってくれたサツマイモカレーです。

こぎ母が、テレビで見ておいしそうだったという「サツマイモのカレー」を作ってくださいました。

 

こぎ母(要介護1)の料理記録です。

 

 

こーぎー家では、スーパーに買い物に行くときは、買い忘れの無いようメモを書いて行きます。

必要なもの、欲しい物を気がついたとき、気がついた人がいつでも書き込めるよう、台所に置いてあるメモです。

そのメモにツレの文字で、「サツマイモのカレー」「とり肉(もも肉)」と書かれてありました。

こーぎー家の買い物メモです。

買い物が終った後で写真を撮ったので、青ペンで取り消し線が引いてありますが、気にしないでください。

文字がぐちゃぐちゃで汚いことも、気にしないでください。

買い物メモは、赤ペンで書くのがこーぎー家流です。

気にしないでください。

1番上のふたつです。

 

はてな?

 

何を買おうとしているのでしょうか?

当サイトの執筆者、こーぎーがコーギーの着ぐるみをかぶったイラストです。「お母さんがサツマイモのカレーを作りたいんだって。だから、サツマイモととり肉を買って来てほしいって」

だそうです。

カレーにサツマイモを入れるのですか?

作ったことも多分食べたこともないと思います。

こぎ母が作りたい、食べたいと思ったというのなら、ぜひとも実行に移しましょう

ご本人はやる気満々。

忘れないうちに、ツレのメモの下に「ルー2箱」(カレールウ)と書き込んでおいて、さっそく買ってきました。

 

晩ご飯の時に、「明日カレー作るか?」とツレがこぎ母にきいてくれました。

「明日?うんいいよ。明日作るのね」

と言ってこぎ母も気合十分。

近所のお友だちも呼んで、一緒に食べることになりました。

肝心のサツマイモカレーはどんなカレーなのか、どう作るのでしょうか。

こぎ父も一緒にテレビを見ていたようですが、お二人で、

こーぎーの母親の顔です。笑顔 「おいしそうだったのは覚えているんだけど、どうやって作るんだっけ?忘れちゃったね」
こーぎーの父親の顔です。笑顔 「えーっとねえ。確かねえ。そうだねえ。忘れちゃったね」
ずずずずっ。
こーぎーの父親の顔です。笑顔 「大丈夫。らっこさんに教えてもらいながら作ればいいんだから」
ずずずずずっ。
ラッコの着ぐるみをかぶったらっこです。 「サツマイモはどうやって切っていましたか?じゃがいもは入れるんですか?何を入れるんですか?」(汗)
こーぎーの父親の顔です。笑顔 「じゃがいもは入っていなかったと思うよ。
サツマイモはね、輪切りにしてたよ」
こーぎーの母親の顔です。笑顔 「乱切りでいいの?」
こーぎーの父親の顔です。笑顔 「乱切りじゃなくて、輪切りだったよ」
こーぎーの母親の顔です。笑顔 「……?乱切りにすればいいのね?」
こーぎーの父親の顔です。笑顔 「乱切りじゃなくていいよ、輪切りで作っていたよ」

お二人にきいていても、どうやら作り方は判明しそうにありません。

調べてみました。

 

お二人が見るテレビと言ったら、NHKかほかにNHK(どっちもNHK)くらいなので、見つかりました。

どうやら前の日に、『ごごナマ』で平野レミさんが紹介したさつまいもカレーのようです。

 

どれどれ。

カレー粉やスパイスで作るカレーのようです。

こーぎーの母親の顔です。笑顔 「ジャムとかなんとか、色々入れていたね。サツマイモのほかに、最後に何入れるんだっけ?」
こーぎーの父親の顔です。笑顔 「あ~あ~、テレビでは色々入れて作っていたけど、家で作るのはルウを使って、ほかには何も入れなくていいよ」

なんてお二人で話していたので、市販のルウで作りました。

こぎ母のサツマイモカレー

サツマイモ(小)3本 (角切り)420gくらい
鶏のもも肉 1パック(ひと口大に切る)613g
玉ねぎ 大1個、小1個(薄切り)300gくらい
にんにく(チューブ)大さじ1
サラダ油 たらーり
水 2150ml
カレールウ 1.5箱(15皿分)

本家のレシピは、検索なさってくださいませ。

 

サツマイモカレーを作る。

お昼の片づけを済ませてお米を研いで、晩ご飯の準備をしておきます。こぎ母が。

お米を研ぐのが早すぎる気がしますが、できる時間にできることをしてくださっています。

その後、作業療法士が自宅に来てくれての訪問リハビリを終え、一息ついて水分補給をしたらさっそく作ります。

薄切りにした玉ねぎです。

大きい玉ねぎから薄切りにします。

もしよかったらですけど、この玉ねぎの画像、よく見ておいてください。

鶏のモモ肉を刻んで塩コショウしたところです。

とり肉を1口大に刻んで塩コショウをして下味をつけます。

よく洗った紅吾妻です。

さつまいもを洗っておきます。

 

作業そのものは時間がかかるものの(らっこも時間はかかる)、ご自分で包丁を握ってひととおりできます。

一方、玉ねぎをどの向きで切るのかとか、切った野菜をどこにどうしておいたらいいのかとか、ちょっとしたことがわからなくなるようです。

何度も同じことを確認したり、まな板から材料が落ちても気が付かなかったり。

お一人で料理をすることはできても、「ごはんの支度」をすることは難しいようです。

段取りを組み立てて、次に何をするかがわからないようです。

ときどきは、はっきりとよく出来たりもします。

50年以上主婦をやってきたこぎ母は、とても強く、

料理をしたい

という思いがあるようなのですが、ひとりだと、何が何だかわからなくなってできなくなってしまう。

何をどうしたらいいのかわからなくなってしまう

脳の病を経験した方の後遺症なのでしょう。

ご自分で、わからないことがわかる

ようなので、そんな状況に出くわすと、みんなが悲しくなります。

そうならないよう、適切にお手伝いができればいいのですが……

 

ではでは、玉ねぎを炒めます。

大きなお鍋にサラダ油を入れて、チューブのにんにくをたっぷり絞り出します。

火をつけてボールに取っておいた玉ねぎをお鍋に投入です。

ごろん。

ん?

 

ヘラを持って玉ねぎを炒め始めたこぎ母の隣から、お鍋をのぞくと、ありました。

刻んでいない玉ねぎが。

薄切りにした玉ねぎの下に隠れていた、刻んでいない1個まんまの玉ねぎです。

そういえば、やけに玉ねぎを切り終えるのが早いなと一瞬、ほんの一瞬思っていたことを思い出しました。

お鍋に入れたときにも、らっこが指差すまでは気がつかなかったようです。

お鍋からまな板に逆戻り。

改めて玉ねぎを切ってもらっている間、らっこが玉ねぎを炒めていようかと思い、火をつけ直して数十秒。

結局火を消して、全部できることはこぎ母にやってもらうことにしました。

 

無事、スプーンですくって食べられる大きさに刻まれた玉ねぎをお鍋に加えて、再び点火。

点火の仕方も、ときどき忘れるのか、心配だから確認するのか、一瞬ではできません。

 

大丈夫。時間はかかっても、ちゃんとご自分でできています。

 

ボタンを押して火をつけるタイプや、IHコンロなど、らっこは使ったことがないのでわからないのですが、そういったタイプの方が、今のこぎ母にはやりやすかったりするのでしょうか。

わかりませんが、「なんでもなかったはずの作業」が、なんでもなくなくなってしまうのって、ご自分でもおそらく理解しているのであろう現実。

 

できる(であろう)ことは、みんなやってもらいます。

 

玉ねぎを、焦がさないように炒めましょう。

 

ヘラを持つ手はとても逞しいです。

 

「このくらいでいいんじゃない?」

玉ねぎが軽くしんなりしたところで、こぎ母OKが出ました。

らっこはもうしばらくは炒めてやわらかくするのかと思っていましたが、こぎ母OKに任せましょう。

いったん火を消して、サツマイモを刻みます。

こぎ父と、「輪切り」か「乱切り」かで言い合ったようでしたが、レシピによると、「1.5cm角の角切り」でした。

火が通りやすい大きさでいいようです。

タテ半分に切って、それをまたタテに半分に切ってから、分厚いいちょう切りのようにして切ってもらうことにしました。

失敗でした。

サツマイモが硬くて、タテ半分にするのが大変。

というよりも危険。

輪切りにしてから四つ切にしてもらいました。

硬いさつまいもをこぎ母が切っているところです。

「これなら切れるね」と言いながら、それでも硬くて、少し大変そうでしたが、しっかりと包丁を握り、ご自分で全部(らっこが見本で切った数センチは除く)切ってくれました。

ときどき、包丁が貫通していないまま、輪切りに十字の切込み入れただけ状態のおいもが何個かありましたが、「切れていませんよ」と言って指差すと、「ああっ」と気がついて、手でパキパキ割ってくれました。

サツマイモは、入れる直前に刻んであく抜きをせずにそのまま炒めるレシピだったので、このような手順になりました。

ではでは。

サツマイモととり肉をお鍋に入れて再びの点火。

とり肉が色づくまで、焦がさないように炒めてもらいます。

 

サツマイモを炒めているうちに、何を思ったのでしょうね。

「サツマイモが本当美味しそうだよ。

カレーじゃなくて食べるのがおいしいんじゃない?カレーはまた作れるし。

違うのを作った方がいいんじゃないか?

おお?

 

煮物か何かを作りたくなったのでしょうか。

煮物が食べたくなったのでしょうか。

ここまできての路線変更に、らっこ、対応できる気がしません。

 

「あら。それでも、サツマイモのカレーが作ってみたかったんですよね?」

「そうだったっけ?」

「○○さん(呼んでいるご近所の友達)にもカレーを作るって言ってしまっていますから、今日はカレーにしませんか?」

「ううん。そうねえ。今日はカレーにしようか」

仕方なさそうにしながらも、納得してくださいました。

 

「そろそろいいんじゃないかな?」

炒めていたとり肉のこぎ母OKも出ました。

入れる水の量は、らっこがカレールウの分量で計って入れました。

水の量が多過ぎたり少なすぎたりすることがなければ、おいしいとろみがついてくれるはず!

最初、やかんにルウ1箱分の分量、1400mlを入れておき、こぎ母にお鍋に注いでもらいます。

「水の量、どうですか?少ないですかね?」

こぎ母に確認すると、

「少ないね。これじゃあ足りないよ」

はっきりとした口調で教えてくれます。

それならと、もう400ml、らっこが別のボールにためておいた水を注いでみました。(らっこが)

「どうですか?まだ足りません?」

「そうだね。まだ足りないかな。もうちょっとだね」

はいはいと、もう350mlを追加。(らっこが)

「どうですか?いいんじゃないですか?」

「そうだね。よさそうだね」

こぎ母OKいただきました。

 

大きなお鍋に水、2150ml、カレールウが1.5箱分、15皿分くらいです。

カレーは一度にたくさん作りたいのがこぎ母なのですね。

 

水が沸騰するまで、ひとまず休憩です。

こぎ母と一緒に、甘いお菓子をつまんでひとやすみ。

お昼ごはんを食べた時間が早かったので、お腹が空いてしまっていたのです。

 

そうこうしていたらこぎ父が、神妙な顔でお勝手に現れました。

どうやらご近所さんに、こぎ母と同じように脳出血で入院されている方がいらっしゃることがわかったのだそうでした。

こぎ父の話を一生懸命聞いているこぎ母。

カレーのお鍋が沸騰したようです。

そっとこぎ母に促し、灰汁取りをしてもらいました。

「こっちの話に夢中になってしまって、ごめんなさいね」

 

えぇえぇ。いいんですもちろん。

「沸騰しましたから、灰汁取りしてください」

灰汁すくい(実家には無かった!素晴らしい!)と水をためた小皿をお渡しして、あとはお任せ。

カレーのあくをすくっているこぎ母です。

「灰汁取りなんて、何年ぶりにするのかしら」

「そうですねえ。半年?7ヶ月くらいぶりじゃないですかねえ」

 

実は、「灰汁取り」と言われても、すぐには何をすればいいのかがわからなかったようなのですが、渡されたものとお鍋を見たら、何をすればいいのかがわかって自分で黙って灰汁取りをやり始めたのだそうです。

 

らっこ、言葉(手助け)が足りない典型じゃないか。

それでも、ご自分でもわからないと思ったけどわかった、自分でできたと思ってもらえることをひとつ作れたようだったので、結果オーライで。

 

その後、サツマイモが煮えたかの確認をしてもらい、こぎ母OKで火を止めます。

カレールウを投入。

ルウのブロックを丁寧に、重ならないように入れてくれました。

1.5箱分、ルウもたくさん入りましたね。

 

ルウを入れた直後にかき混ぜようとするこぎ母を制して、ふたをしてしばらく待ちます。

「入れてすぐにかき混ぜないほうが、溶けやすくってとろみがつくそうですよ」

「あらそうなの?」

ルウを溶かしている間に、食卓の用意です。

お漬物数種とサラダです。

取り皿やお箸を並べてもらいます。

何かを真剣に考え込んでしまうようで、なかなか難しい。

取り皿を前に動けないでいるこぎ母。

「並べましょうか。私の分はもらいますね」なんとか声をかけて準備完了。

 

「さあ、ルウを溶かしましょう」

カレーのルウを溶かしています。

カレーの鍋のふたを開けて、こぎ母にルウを溶かしてもらいます。

丁寧に丁寧に、溶かしてくれました。

「火をつけましょう。弱火でいいですよ」

最後の点火、静かに絞った火加減で、こぎ母がかき混ぜてくれます。

できあがったサツマイモカレーです。

とろみがついてきましたよ。

できあがりです。

 

 

ご近所さんを呼ぼうとこぎ父が電話をしてくれました。

仕事が終わって、ちょうど帰ったところだったようです。

お腹が空いてしまったこぎ母、「先に食べていましょう」ということで、来宅を待たずにご飯をよそっていたら、ナイスなタイミングでご来宅でした。

 

なんと、カレーをご飯によそった写真を撮り忘れた……

 

お皿によそって「いただきます」

 

 

カレーとサツマイモ、そんな食べ方もおいしいんですね。

食も進み、会話も進み、美味しくて楽しい時間が過ごせました。

 

残ったカレーは、ツレがジップロックに詰めて冷凍してくれました。

もう2回くらいは楽しめそうです。

 

こぎ母さん、お疲れさまでした。ありがとうございました。ごちそうさまでした。

上手においしく作ってくださいましたね。

 

下手なサポートで申し訳ありません。

また、お料理少しずつ、やってみましょう。

 

ごちそうさまでした。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

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