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チューリップの花が大きかったから|らっこ

お昼のトーストを食べ終えて、こぎ父が先に席を立ちました。

こぎ母とツレは静かにお茶を飲み、らっこは食器を片づけていました。

「お母さんお母さんっ」

しばらくして戻ってきたこぎ父が、少し興奮しているのか、大きな声で呼びかけました。

 

チューリップが大きいと報告するこぎ父

 

庭に咲いていたチューリップの花が、こんなに大きく開いたんだよと両手をひろげてこぎ母に報告していました。

「後で見てごらん。おっきいから!」

 

言うだけ言って、またすぐに去って行きました。

 

背中で聞いていたらっこは、

「そろそろ散るんですねえ」

と、かるくツレに話しました。

 

らっこは、開きすぎたチューリップを見ても、あまりきれいと思ったことがありませんでした。

散りそうに花開いたチューリップを見たこぎ父が、まるで「満開」とばかりにこぎ母に嬉しそうに報告したことが、少し不思議でした。

 

笑い出したこぎ母

 

しばらく黙っていたこぎ母が、小さく笑い声を立てました。

 

「チューリップが大きく咲いた?

もうじき散るんだね。

それを、お父さんったら、もう」

 

見に行って、わー大きいって、言ってやればいいのかねえ

 

わざわざ教えにきてくれたこぎ父に、大きく開いたチューリップの感想を伝えて、喜んで見せたらいいのだろうか?と、可笑しそうに笑っていました。

 

こぎ母とツレと3人で、

「そうですねえ」

と、笑い合いました。

 

 

ふふふ。

ごめんなさいですね。

 

せっかく、お花を見ていい気分になった人(こぎ父)がいて、みんなに知らせにきてくれたのに、いい気分の人がいなくなってからの冷めた反応(3人)。

 

おかげで3人で笑い合いました。

 

ふふふ。

とりあえずもう1回、ごめんなさい(笑)

 

 

「チューリップを見てから洗おうか?

少ないから、先に洗ってから見に行こうかな」

こぎ母の優先順位は、お花よりも食器洗いが先でした。

 

洗い物をこぎ母に任せて、らっことツレは、満開(?)のチューリップを鑑賞。

 

はい。

 

大きく開いていましたよ。

 

洗い物を終えたこぎ母が、その後チューリップを見に行って、

「わー!大きい!」

とこぎ父に感想をつたえたのかどうかは、知りません。

 

 

===

こぎ母が、リハビリのために通っていた運動中心のデイサービスが、スタッフの方の訪問サービスに切り替わりました。

今日は訪問に切り替わっての初日。

30分程、自宅で運動指導とマッサージなどをしてもらい、体が軽くなったそうです。

 

デイサービスでの器械体操ができなくなり、運動不足が気になる自粛生活ですが、庭の草むしりにしろ、こぎ父とのお散歩にしろ、かえって張り切りすぎて疲れがたまらないよう、こぎ父がセーブしながら過ごしています。

 

今日も無事に過ごせました。

読んでくださり、ありがとうございます。

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