介護

入院36日目、自分ひとりで立ち上がる!|脳卒中で倒れた母の介護記録

母は、千羽鶴に乗って家に帰ったそうです。

脳卒中の後遺症で一時は左半身が麻痺状態になってしまった母は、脳を圧迫していた液体を抜き取る手術をすることで、徐々に麻痺が改善しました。

右の脳内出血の後遺症で左目の視力は元のように戻らないのですが、左手、左足はほぼ元のように動かせるようになりました。

入院してから36日目、とうとう自分ひとりで立ち上がることができるようになりました。

このページでは脳卒中で入院した私の母の入院32日目~36日目の介護記録を綴っています。

入院32日目、昔のことをよく話す

母が脳卒中で入院してから1ヶ月がすぎ、最近は容体もとても安定しているので、父にとっても何が何でも母の様子を見に行かないとということはなくなってきました。

これまでは面会時間の始まる午後2時に合わせて病院に出かけていた父も、少しのんびり出かけていく日も多くなりました。

それでも、母が入院してから1日も欠かさず母の様子を見に行っているので、本人が気づかないだけで体には結構疲れが溜まっているはずです。

もう毎日母の様子を見に行かなくてもいいのではないかということも父には話すのですが、思い込んだら何を言っても聞かないところは昔から変わりません。

母は9日後にはリハビリ専門病院へ転院するので、ようやく父も毎日の病院通いはしなくても済むでしょう。

今日は昼間に姉が病室に千羽鶴を届けてくれたようで、私が夜に様子を見に行くと真っ先に千羽鶴を指さして説明してくれました。

姉と姉の母親、姪っ子の3人で、50羽の千羽鶴の束を20束作ってくれたようで、とても見事なものでした。

夜にはちょうど私の兄も面会に来ていて、母が幼いころ過ごした実家での出来事をたくさん話していました。

最近の母は、子供のころの話をよくするのですが、自分が入院した理由については未だによく理解しておらず、記憶がうまくつながらない部分がまだあるようです。

今日は日曜日なのでリハビリ訓練がなかったそうなのですが、寝すぎて逆に眠くなってしまったのか、話が途切れるとすぐに目をつぶって眠ってしまいそうでした。

夕食を食べ終わって、トイレも済ませていたので、時間も20時近くであることを考えると、ある意味眠くなるのが正常ともいえそうです。

面会から帰るとき、いつもは私が立ち去るのがよく見えていなかった様子だったのですが、今日は病室の仕切りカーテンを閉めようとするとき手を振って見送ってくれました。

残念ながら左目の視力はなかなか戻らないのですが、最近は自分の腕についている患者識別票の小さな文字も読み取れるほど視力は回復してきました。

心配だった左半身の麻痺も、左目を除けば左手、左足はしっかり動くようになり、日常生活への復帰もそう遠くない日に訪れるのではないかと感じています。

入院33日目、自分の足で歩けることを自覚する

脳卒中で入院する前から、母は自分でも物忘れが増えてきたことを危惧して、認知症予防のための外来に通っていました。

医師によると年齢なりということで特に心配する必要はなかったのですが、入院してからはついさっき話したこともすぐに忘れてしまったりします。

2日前からリハビリやトイレへ行く時にも自分の足で歩けるようになっているのですが、自分が歩いたことを忘れてしまっていることもありました。

しかし、今日は夜に母の様子を見に行くと、私が母の病室へ入るなり、『私、歩いたの!』と嬉しそうに話していました。

自分が歩けるようになったのがよほど嬉しかったのか、しばらくはその話の繰り返しでした。

昨日から母の病室には千羽鶴が飾られているのですが、母の話によると昨日は千羽鶴に乗って家に帰ったとか・・・。

やはり、入院してから約1ヶ月、家に帰りたいという気持ちが心の中にあるのでしょうか。

眠くなってしまったせいなのかわかりませんが、面会時間の終わる間際、私の連れ、兄の奥さん、弟の奥さんの名前を思い出せなくなってしまいました。

また、私がまだ未婚であることも忘れていて、私にも『あなたの奥さんの名前なんて言ったっけ?』と聞いてきました。

かろうじて家族の名前はなんとか思い出せたようですが、子供のいない私に『明日は面会に来なくていいから、子供たちと遊びなさい。』などと言っていました。

なんにしても、母が車いすがないとどこへも行けないような生活にはならずにすみそうで良かったです。

入院34日目、涙を流して歩けるようになったことを喜ぶ

歯が痛いと言い出した連れの歯科医院の予約に合わせて、私も約1年半ぶりの歯の定期検診とクリーニングに行ってきました。

偶然にも父も今日同じ歯科医院で治療を受けることになっていて、午前中は父が、午後は私と連れが同じ歯科医院、先生に診てもらうことになりました。

歯の定期検診は約1年半ぶりなので、虫歯のひとつぐらいは覚悟していたのですが、幸いにも虫歯も歯周病についても問題ないという結果になりました。

心配だった連れの歯の痛みも虫歯ではなく、歯の磨き方で改善するらしく、来週私はクリーニング、連れは経過観察で受診する予定です。

母もこの歯科医院でインプラント治療を受けてから、定期的にメンテナンスに通っています。

脳卒中で母が入院していることは院長先生も父から聞いて知っていて、私を診てくれる際にもいろいろと母を気にかけてくれていました。

今日は母の妹が娘と一緒に面会に来てくれていたようで、後から合流した父の話によると、母は自分が再び歩けるようになったことを、母の妹の前で涙を流して喜んでいたそうです。

母の様子を見に行くのは今日はお休みにして、夕食でそんな話をしながら久しぶりに父とお酒を飲むことにしました。

入院35日目、お通じがない模様

昨日は夕食で父と飲むことにしたため、夜に母の様子を見に行くのはお休みにしました。

今日は私が母の病室に入ると、ベッドに横になった状態で麻痺が取れた左手を高く上げて、指を動かすリハビリをひとりでやっていました。

母が脳卒中で入院してから、一時は左手、左足がまったく動かなくなり、感覚もなくなってしまう状態にまでなったのですが、脳を圧迫していた液体を抜く手術をしてから順調に回復しています。

今では右手とそんなに変わらないほど、思うように動かせるようになったようです。

トイレ行く時も現在は車いすを使う必要が完全になくなり、自分の足で歩いていけるようになりました。

この2、3日の間、母の口から何度か『家へ帰ったら・・・』という言葉を聞くようになり、本人も日に日に体の調子がよくなっているのを実感しているようです。

夜の回診にきた看護師さんと話すことができ、母の食欲が落ちていること、お通じがないことを聞きました。

脳卒中で入院する前から症状のあった不正出血については、薬が効いているのか特に問題がないようで安心しました。

また、昼間に面会に来た父によると足が臭うということだったので、母の入浴のスケジュールを確認してもらい、明日シャワーをしてもらえることになりました。

今日は話がかみ合わないようなこともなく、いたって普通の以前の母と話をしているようでした。

久しぶりに歯磨き後の糸ようじを通してあげることもできて、気持ちよく眠りに落ちていく母を見ながら私も病院から帰ってきました。

入院36日目、自ら元気よく立ち上がる

1年前の今日、春分の日は横浜にも雪が降ったのですが、今年はとても暖かく日中は汗ばむほどの陽気でした。

母は9日ぶりの入浴ができたようで、私が夜に様子を見に行った時にはすっきりした顔をしていて、とても気分がよさそうでした。

もうひとりで歯磨きも上手にできるようになり、入院当初心配していた口の中の衛生についても心配しなくて済みそうです。

ただ、歯間ブラシはまで使えないようで、私がクリーニングしてあげると『すっきりした』と喜んでくれます。

昨日、母の手の爪がずいぶん伸びていることに気づいたので、今日は爪切りを持参して整えてあげました。

どうやら私がいる間にトイレを済ませておくと安心できるようで、看護師さんに母のトイレをお願いしました。

今までは看護師さんの手を借りないと立ち上がれなかったのですが、今日はベッドに腰かけた状態から自ら元気よく立ち上がりました。

まだ靴を履いていなかったので、看護師さんに一度座るようにと言われていました。

ひとりで立ち上がれるようになって、またひとつ日常生活への復帰に一歩近づきました。

リハビリ専門病院への転院まであと5日、母にとっては本格的に家へ帰るための訓練が始まります。

-介護