かつて私は1日に60本ものたばこを26年間吸ってきた超ヘビースモーカーでした。
しかし、あることがきっかけでたった2週間で禁煙に成功することができました。
禁煙外来やニコチンパッチ、ニコチンガムなどを利用することなく、自分の意志だけで禁煙することができたのです。
このページではニコチン中毒から解放された私の生活が、どのように変わったかをお伝えしたいと思います。
禁煙をしてよかったこと
禁煙をしたことによるメリットは多すぎて、何からお伝えすればいいのか困ってしまうほどですが、やはりたばこにお金を使わなくなったことが一番だと思います。
アルバイトで日銭を稼ぎながら生活をしていたころは、ご飯を食べるかたばこを買うかで真剣に悩んだりしたものです。
今思い起こせば馬鹿らしいと思えるのですが、ご飯よりたばこを選ばせるところがニコチン中毒の怖いところです。
たばこをやめたらお金が減らなくなった
私がはじめて自分で買ったたばこは当時180円だったセブンスター。
この記事を書いている現在、セブンスターの値段は20本入り1箱がなんと500円!
以前のように1日60本、3箱を毎日吸っていたとしたら1日1,500円、1ヶ月に45,000円もかかる計算になります。
年に換算すると547,500円にもなります。
私がたばこをやめたのは1箱300円の時だったので、1日900円を毎日使っていたことになります。
そう、たばこをやめたら毎月30,000円弱の支出がなくなったんです。
毎月30,000円が手元に残るって、すごく大きい生活の変化ですよね。
たばこをやめたいと思っていてもなかなかやめられないという人は、ぜひ一度今までタバコにいくら使ってきたか計算してみましょう。
そして、これからも吸い続けると生涯タバコにいくら使うことになるのかを計算してみましょう。
金額の大きさを知れば、きっと少しは禁煙への後押しをしてくれる理由のひとつになるはずです。
ポイント
- たばこをやめたらお金が減らなくなりました。
家族から臭いと言われなくなった
私が喫煙していたころは一軒家に両親と一緒に住んでいて、2階の自分の部屋でタバコを吸っていても1階にいる母親からは『くさい』と言われたものです。
当時タバコを吸う家族は私ひとりしかおらず、家の中での喫煙は禁止となっていました。
そのため食後の一服などは、寒い冬でも玄関の外で吸っていたものです。
タバコをやめた今なら私もよくわかるのですが、たばこを吸う人が家の中に入ってくるだけで独特のにおいがするものです。
食事の後に不快なにおいを嗅ぎたいなんて人はいないですよね。
タバコを吸わない人間からすると、何とも言い難い不快なにおいということになります。
タバコを吸う本人には自分の体からタバコ臭がしているのはわかりませんから、喫煙者は非喫煙者に対して知らず知らずのうちに迷惑をかけていると思ったほうがいいですよ。
家族ならはっきり『くさい』と言ってくれますが、気を遣う相手にはそんな風に言えないことも多いですよね。
タバコをやめたら食後の一服という習慣もなくなり、食後の家族に不快な思いをさせることもなくなりました。
ポイント
- たばこをやめたら家族に臭いと言われなくなりました。
ご飯がおいしくなった
タバコをやめてから本来の味覚が戻るのには、しばらく時間がかかるんじゃないかと思います。
なぜなら長年タバコのにおいを嗅ぎ続けてきたせいで、臭覚が鈍感になってしまっているからです。
食べ物を美味しいと感じるには、視覚と嗅覚の両方が必要というのをテレビでも見たことがあります。
私の場合にはタバコをやめてから半年ほどすると、食べ物の味がよくわかるというか、食べ物のにおいがよくわかるようになりました。
タバコをやめてから食事で一番変わったのは、タバコのことを考える必要がなくなったことです。
以前は家で食事をするときも外で食事をするときも、『いつタバコを吸いに行くか』を食事中に考えていたわけです。
タバコのことを考える必要のなくなった禁煙後は、純粋に食事を楽しむことができるようになりました。
タバコに邪魔されずに食事を楽しむことができるようになった結果、ご飯そのものをおいしく感じるようになったということかもしれません。
ポイント
- たばこをやめたら食事がおいしくなりました。
使える時間が増えた
タバコを1本ゆっくり吸うとだいたい6分から7分かかると言われています。
くわえたばこでできる仕事ならいいのですが、私の場合自宅室内でのPCワークが中心です。
タバコを吸いたくなったら玄関の外へ出る必要がありましたが、1日60本を吸っていた私のケースを1本吸うのに6分かかるとして計算してみましょう。
6分×60本=360分
タバコを吸っている間は当然仕事はできないので、なんと1日6時間も外でぼーっと煙を吐いていたことになります。
喫煙時間は確かに休憩時間ではあるものの、自分では仕事をしていると思っていた時間の半分が無駄な時間だったわけです。
6時間もの時間があれば、仕事のほかにももっとできることがたくさんあるはずです。
そう、たばこをやめればほかのことに使える時間が論理的に増えることは間違いありません。
ポイント
- たばこをやめたら使える時間が増えました。
お出かけがとってもスムーズに
喫煙者が出かけるときは何をおいてもタバコ中心の行動パターンになるものです。
非喫煙者にとってはタバコを吸う人とのお出かけは相当面倒くさいものだと、私は禁煙後に気が付きました。
一緒に出掛けても喫煙者がいると以下のような状況になります。
喫煙者のココがめんどくさい
- 喫煙できるレストランを探さなきゃいけない
- タバコが切れたら売っているお店を探さなきゃいけない
- 観光地では見学より喫煙場所を探す時間のほうが多い
- 喫煙者とのドライブは非喫煙者にとっては地獄
- タバコを吸いに行ったきりしばらく戻ってこない
タバコを吸う人にとっては食事をすることと同じぐらい喫煙は当たり前の習慣なので、行動パターンを変えるというのには無理があります。
出かけるときも出かけた先でも、たばこのことをまったく気にしなくていいというのは、本人も周りの人をも幸せにできるんじゃないかと思います。
ポイント
- たばこをやめたらお出かけがスムーズになりました。
なぜ禁煙しようと思ったのか
1日に60本吸う超ヘビースモーカーだった私が、たばこをやめようと思った理由はとてもシンプルです。
早死にしたくないからでした。
私の家の前に住む小学校時代からの友人の親父さん、私に産湯を使ってくれた伯母さんのご主人、身近なふたりが立て続けに亡くなってしまったのがきっかけです。
ふたりともたばこを吸っていない姿を見るほうが珍しいというぐらい、私と同じヘビースモーカーだったんです。
喫煙との因果関係はわかりませんが、ふたりとも50代で肺がんが原因で亡くなっています。
どちらもお見舞いには行くことができなかったのですが、『苦しそうに息をしていた』というのはふたりに共通した症状だったようです。
その話を聞いているときにちょうどたばこを切らしてしまって、いつも通り買いに行こうかと思ったのですが、ふと次のようなことが頭をよぎりました。
俺も苦しそうに息をしながら死ぬんだろうか・・・。
たばこを買うときは常にカートン買い、車に1カートン、家に1カートン、出かけるときは今吸っている箱とは別に予備をポケットに持ち歩くという典型的なヘビースモーカーでした。
このまま吸い続けていいのだろうか・・・。
今まで一度もやめようなんて思ったことがなかったたばこに対して、ふつふつと疑問が湧きだしたこの日は、たばこを買いに行くのはやめました。
この日は26年間吸ってきたたばこをやめよう思ったわけではなく、やめたほうがいいんじゃないかと感じたのです。
その理由は身近な愛煙家ふたりが立て続けに肺がんで亡くなったことでした。
禁煙しようと思ったポイント
- タバコをたしなむ身近なふたりが、50代という若さで肺がんで亡くなった。
- 肺がんで苦しみながら死にたくないと思った。
スパッと禁煙する方法
私は過去3回禁煙にトライしていて、そのいずれもが禁煙外来やニコチンパッチなどに頼らない自制心によるものです。
結果2回は途中でニコチンの誘惑に負けてしまったわけですが、三度目に成功したのは上述の身近な人間の死を経験したことが大きく影響しています。
人が苦しみながら亡くなるのは、見ている者もとても苦しい思いをします。
できれば、寝ている間に苦しむことなく息を引き取るような人生の最期を迎えたいと、私は思っています。
タバコと寿命の因果関係、煙草とがんの因果関係についてはここでは触れませんが、愛煙家の方も体に良い効果をもたらすことはないと思っているはずです。
はじめてタバコを吸ったときの体の反応を思い出してみてください。
一服吸っただけで手足の指先が冷たくなり、意識が一瞬薄れたのを私は今でも鮮明に覚えています。
喫煙を習慣にしてしまうと、このような人間が本来持っている拒絶反応に身体が慣れてしまい、だんだん反応しなくなります。
つまり、喫煙を続けていくと有害物質が体に取り込まれても、それが有害だと感じない体になってしまうのです。
考えると恐ろしくなりませんか?
『この1本を吸ったら確実に死ぬ』と言われても、あなたはタバコを吸い続けますか?
タバコはあなたの体を害することはあっても、健康にすることはないものです。
禁煙の背中を押してくれる本
タバコをやめると太るだとか、イライラして仕事にならないだとか、そういった周りの情報に戸惑うことは少なからずありました。
私が一番不安だったのは、タバコの代わりになるものがあるのだろうかということでした。
たとえば、これまで仕事がひと段落したらタバコを吸うことによって気分をリフレッシュしたり、休憩をしてきたわけです。
タバコをやめたら何をして休憩すればいいんだろうと考えたわけですね。
26年もの長い間続けてきた習慣を断ち切ろうというわけですから、ちょうど花嫁が結婚直前に不安になるマリッジブルーのようなものです。
そんなとき小学校以来の友人でもあり、彼の母親の代から通い続けている床屋さんに1冊の本を紹介されました。
読むだけで禁煙ができるという魔法のようなタイトルがついた本なのですが、まさにこれから禁煙をしようという私の背中を押してくれる形になりました。
タバコの代わりになるもの
タバコをやめると口元がさみしくなるとか、指にタバコを挟む習慣がなくなるため手持無沙汰になるとかいう話をよく聞きます。
禁煙を始めると、これまで長く続けてきた気分転換や休憩をするときの習慣がなくなるわけですので、私も色々と調べてみました。
禁煙パイポやガムを噛むと良い、熱々のほうじ茶が良い、刺激のある飲み物が良いなど様々な情報がありました。
私はコーヒーが好きなので、禁煙を始めてからは仕事の休憩にコーヒーを飲むことにしてみました。
今までタバコを吸っていた時間に、とにかくほかの何かを見つければいいわけですので、ストレッチや軽い体操などでもいいのではないかと思います。
禁煙の離脱症状
禁煙の離脱症状は人によって表れる症状はさまざまなようですが、私の場合には『眠気』でした。
しっかり睡眠をとっているにもかかわらず、起きている間常に眠気が襲うという状態です。
これまではタバコを吸うことによって脳を覚醒し、眠気を飛ばしていたということになるのでしょう。
つまり、煙草には人間の疲れや眠気といった休息を取るべきタイミングを狂わせてしまう効果があるということになります。
私の場合、禁煙の離脱症状であった眠気は2週間ほど続き、その後は眠気を感じることが徐々に少なくなっていきました。
禁煙の離脱症状のピークも人によってばらつきがあるようですが、ピークを過ぎれば必ず楽になるはずです。
禁煙の効果と変化
私の場合、とにかくいつでも眠いというニコチンの離脱症状が約2週間続いたのですが、同時に体にも大きな変化がありました。
匂いに敏感になったせいか食事をおいしく感じるようになり、結果食事の量が増え体重が大きく変化しました。
もともと88キロあった体重が1ヶ月ほどで95キロまで増え、『これはヤバイ!』と1日1時間ほどのウォーキングを続けたところ、現在は80キロ前後に落ち着いています。
タバコをやめると甘いものに走るとよく聞きますが、私は甘いものが苦手なため、代わりに食事の量が増える結果になりました。
禁煙後の効果と変化を時系列にまとめると以下のようになります。
禁煙スタート
約2週間の離脱症状(眠気)
食欲増加(体重増加)
運動開始
禁煙前より体重減
禁煙後の生活
禁煙をしてから7年が経過していますが、もうタバコを吸いたいと思うことはまったくありません。
むしろ、喫煙可のレストランなどは避けるようになりましたし、タバコの煙を吸わされそうな状況では息を止めることすらあります。
タバコをやめてから強く思うのは、私がまだ喫煙者だったころに非喫煙者に対しての配慮がまったく足りていなかったことです。
非喫煙者にとってタバコの煙がいかに嫌なものであるかは、非喫煙者になるととてもよくわかります。
喫煙者にタバコをやめろと言っても、『余計なお世話』と言われることがほとんどだと思います。
ただ、たばこをやめることにデメリットは一切ないこと、禁煙が生活に与える効果はすごいということを最後にお伝えしたいと思います。
この記事がひとりでも多くの禁煙チャレンジャーの背中を押すことにつながってくれたら嬉しいです。