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51歳からの就職活動|1サイト依存型専業アフィリエイターの末路

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1サイトに依存していたアフィリエイターが、真っ青な顔で空から落ちています。

このまま収入がなくなってしまうのではないか・・・。

自サイトの売り上げが突然落ち始めると、専業アフィリエイターなら誰しも感じる恐怖ではないでしょうか。

アフィリエイトで生計を立て始めると、なかなか他の仕事という考え方ができなくなるものです。

しかし、すべてのサイトのアフィリエイト報酬がある日突然ゼロになったとしても、ほかの収入源で生活ができる準備をしておくことがどれほど大事なことか、アフィリエイト歴14年目の私は痛感しています。

趣味で作ったサイトがたまたま順調に成長し、そのサイトのみの収益に頼った生活を14年間続け、ある日突然サイトが圏外へ飛んでしまったアフィリエイターの現状をありのままお伝えしたいと思います。

これからアフィリエイトを始める方にも、現在順調なアフィリエイターの方にも、私と同じ轍は踏んでほしくないと心から願っています。

アフィリエイトとの出会い

私がアフィリエイトという存在を知ったのは、まだアドセンス報酬の支払いがドル建ての小切手だった2004年です。

私は運送業、とりわけ引越しの仕事が長かったため、引越し料金のしくみに関するサイトを作ったところ、思いのほかアクセスが集まりました。

それまでパソコンなど触ったこともなかったのですが、ネットでホームページの作り方を調べ、メモ帳にHTML手打ちでサイトを完成させました。

プロバイダーの無料ホームページスペースと、無料のサブドメインを利用していたので、一切費用をかけずにアフィリエイトをスタートさせました。

はじめて貼った広告がアドセンスで、ページをアップして5分もたたずに約5ドルの報酬が発生したことに感動したのを鮮明に覚えています。

これは本気で取り組めば仕事になる!と確信した瞬間でした。

アドセンスで専業アフィリエイターになる

パソコン知識ゼロの状態から、ホームページを作るのに必要な情報はすべてネットから収集して、約3ヶ月かけて40ページほどのサイトが完成した時は、ただ単純に嬉しかったのを覚えています。

自分自身の経験をもとに引越し料金のしくみや業界の裏話などまとめたもので、いわゆるジャンル特化型サイトアフィリエイトという分類になると思います。

すべてのページの下部、サイドバーにアドセンスを貼ることで、月に10万円ほどが安定して入ってくるようになりました。

引っ越し繁忙期である3月4月にはアドセンス収益が20万円を超え、Googleからプレゼントが送られてきたこともありました。

当時はまだ軽貨物運送業者としても活動していたのですが、アフィリエイトの可能性に賭けてみようと思い、軽貨物運送業を廃業して専業アフィリエイターとなりました。

かつてはアフィリエイトの敷居が高かった

私がアフィリエイトに取り組み始めた2004年当時は、ホームページを作る、サイトをサーバーにアップロードするという作業自体が素人には敷居が高いものでした。

そのため、そこそこの情報のつまったサイトを作れば、そこそこのアクセスを集めることはそんなに難しいことではなかったのです。

私が引越しのサイトを作った当時も、引越しに関する個人のサイトは数えるほどしかなく、様々なキーワードでアクセスが集まりました。

そもそも引越し関連サイト自体が少なかったため、引越しのビッグキーワード『引っ越し 見積もり』『引っ越し 費用』などでも、当たり前のように上位表示されていたのです。

当時のGoogleには、今のように頻繁なアルゴリズム変更がなかったので、一度上位表示されると先行者利益的に上位表示され続ける傾向がありました。

ASPの成果報酬型広告に切り替える

アドセンスの収益が安定してからほどなく、ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)という存在を知ることになります。

当時はまだ珍しかった『引越しの一括見積もり』というサービスがあることを知り、サイトで紹介してみることにしました。

40ページほどのサイトのたった1ページで『引越しの一括見積もり』を紹介するだけだったのですが、1日に10件ほど安定して売り上げが上がるようになりました。

アドセンスの広告をはずし、引越しの一括見積もりサイトへの誘導に切り替えると、売り上げは一気に倍になりました。

アクセスを集めると特別単価がやってくる

ASPの担当者は広告主の売り上げに貢献できそうなサイトを日々探していて、私の引っ越しサイトも月間獲得件数が200件を超えたあたりから、いくつかのASPから特別単価の打診がありました。

ビッグキーワードで上位表示できると、広告主から直接オファーなどもやってくるようになります。

月額固定費での広告掲載や、通常単価の5倍以上なんてオファーもやってくるので、特別単価はサイト運営のモチベーションも上がり、アフィリエイト収益を一気に加速させることになります。

しかし、当然ある程度の売り上げをキープし続けなければならないので、せっかくゲットした特別単価が解除されることのないよう、サイトの更新やメンテナンスをしていく必要があります。

複数サイトを運営する

引越しのサイトが軌道に乗ったことでとりあえずの生活ができるようになり、色々なジャンルのサイト作成を手掛ける余裕ができました。

当時流行っていたお小遣い系サイトやポイントサイトを運営したり、FXの情報サイトやFX自動売買プログラムのレンタルサイト、成人向けサイトなども作ってきました。

しかし、引越しのサイトのようにある程度放置しておいても稼いでくれるサイトというものがなかなかできずに、サイト運営は次第にメインの引っ越しサイトひとつに集中していくことになります。

今思えば、いずれのサイトも閉鎖せずとも放置しておけば、月にいくらかの利益を上げ続けてくれるサイトもあったのかもしれません。

一度目の危機は無料ホームページスペースの終了

ヤマダ電機でパソコン一式を買い、OCNのプロバイダー契約をしたときにもらえた無料ホームページスペースで始めたアフィリエイト。

2012年に突然無料ホームページスペースのサービス提供終了が決まり、8年間稼働してきたURL変更を余儀なくされました。

あらたにドメインを取得してサイトを丸ごと引越すわけですから、一定期間のアクセス減、つまり収入減を覚悟することになります。

本気でアフィリエイトをやるなら独自ドメインでとよく言われますが、無料のWEBサービスには突然の終了リスクがあることを思い知らされました。

URL変更の影響はありましたが、この時は3ヶ月ほどで元のアクセス流入に戻りました。

二度目の危機はスマホ対応化の遅れ

2004年のサイト運営から10年が経過すると、引越しのサイトは月に30~40万円前後をほぼ放置で稼ぎ出してくれるまでに成長しました。

アフィリエイトに限らずビジネスは、順調なときほど次の一手を講じておく必要があるのですが、PCオンリーのサイトで収益が安定していたため、サイトのスマホ対応化という時代の流れを侮ってしまいました。

スマホやガラケーでPCサイトしか表示されないというのはユーザビリティーの観点から、アフィリエイトサイトとしては致命的です。

アクセスは減ってはいないものの、コンバージョンにまったく結びつかないという状況に陥り、月に30~40万円前後を安定して稼いでいたサイトの売り上げは、2015年5月には4万円台にまで落ち込みました。

ホームページ作成ソフトを導入する

二度目の危機ではアクセスが減っていたわけではないので、単純にPCサイト、スマホサイト、ガラケーサイトをそれぞれ端末ごとに振り分けることで売上も元通りに復活させることができました。

それまでHTMLを手打ちでサイト作成をしてきましたが、PCサイト、スマホサイト、ガラケーサイトを簡単に作成できるホームページ作成ソフトを初めて導入しました。

当時はまだレスポンシブデザインに対応していなかったものの、私が初めて使ったホームページ作成ソフトは動作の軽いHTMLサイトが作成できるSIRIUSです。

新しいページを作ったり、サイトメニューを増やしたりするたびに既存ページのテンプレートをコピーするという効率の悪かった作業が、SIRIUSを使うことで格段に楽になりました。

使い勝手の良いホームページ作成ソフトを使うと、ページを作ること自体が楽しくなるのでアフィリエイトのモチベーションも上がります。

ある日突然サイトが飛ぶ

夕方ASPの管理画面を覗くといつもより売り上げが少ないことに気づいたのは、忘れもしない2018年3月2日。

いつもより3/4ほどの売り上げとなっていて、明らかにクリック数も少ないことがわかりました。

本来なら月末に向けて右肩上がりに収益が増えていくはずの引っ越しジャンルに取り組んでから、14年ほどになります。

例年のアクセスの流れを知っているので、この時期に売り上げが落ちるというのはあり得ないことなのです。

14年間ペナルティーを受けたこともアルゴリズムにかかったこともなかったサイトなのですが、グーグルアナリティクスを見ると、明らかに何かのフィルターにかかったようなページビューの減少がありました。

順調に上位表示されていたホームページが、突然検索圏外へ消えてしまうことを『サイトが飛ぶ』と言いますが、14年もの間上位表示されていた自分のサイトが飛んだとわかった瞬間、今まで感じたことのない恐怖を感じました。

51歳で無職に

14年間も引っ越しジャンルで上位表示されているのだから、ある日突然アクセスがなくなるようなことはないだろう。

売上やアクセスが落ちるとしても徐々にであって、何らかの施策を講ずればいい。

何の根拠もありませんが、14年間も生計を支えることができたサイトは、未来永劫稼ぎ続けてくれると私は勝手に思っていたのです。

しかし、サイトが飛ぶと想像をはるかに超える速さで、収入とアクセスが激減していきました。

法人化してから自分自身に払っていた役員報酬が払えなくなり、税金対策としていた中小企業倒産防止掛け金を解約して、当面の生活費とするしかありませんでした。

月間の最高売り上げが200万円を超えることもあったサイトが、2万円の売上すら上げることができなくなってしまったのです。

引越しジャンルのサイトを作ってから、アドセンスも含めて1日の利益がゼロという日は1日もなかったのですが、サイトが圏外に飛んでしまってからはゼロの行進が続くことが普通になってしまいました。

もはや収入が入ってこないということに恐怖を感じるのではなく、サイトから収入が入ってこないことに慣れてしまったのです。

14年間、アフィリエイトだけで生計を立ててきた私にできることといえば、やはりサイトを作り続けることしかありませんでした。

しかし、サイトが飛んでから8ヶ月もの間、食事と寝る時間以外のすべての時間をサイトの作成、更新に費やしても生計をたてなおすことはできなかったのです。

もちろん、アフィリエイトのやり方が間違っている可能性もあります。

ただ、先の見えないアフィリエイト作業だけを継続していくには生計のめどが立たず、アフィリエイト以外の収入源を確保する決断をしました。

つまり、51歳で無職になり、就職活動をしていくことになります。

アフィリエイトと両立できる仕事探し

幸か不幸か、飛んでしまった引越しサイトは未だいくらかの収入を生み出してくれてはいます。

今でもコンテンツを追加し続けているので、いつかまた検索上位に返り咲く可能性もなくはありません。

14年もの間、アフィリエイトだけで食べてきた経験から、やはりアフィリエイトの可能性も捨てきれないのです。

専業とまではいかないまでも、これまでと同じようなアフィリエイト作業が継続できる仕事を探してみることにしました。

もともと運転手の経験が長く、大型自動車第二種運転免許やけん引免許も持っているので、アルバイト、もしくはパートタイムのドライバーの仕事をしようと思っています。

明日、検診車ドライバーの面接を受けに行くのですが、6:00~14:00勤務で時給1,300円という条件です。

朝は早いものの、夕方から夜にかけてはアフィリエイト作業をするのに十分な時間を確保することができます。

土日祝日が休みの仕事なので、大きな金額を稼ぐことはできませんが、アフィリエイトを継続しつつ生計の立て直しができる仕事ではないかと思います。

アフィリエイターのあなたへ

私は14年間、引っ越しサイトひとつのみで生計を立ててきました。

ほぼメンテナンスすることもなく、毎月安定した収入を生み続けてくれたため、アフィリエイトの成功体験を知っているアフィリエイターの一人です。

好きな時間に起き、好きなことをして、大型キャンピングカーを2台保有できるほどの豊かな生活をアフィリエイトで手に入れることができました。

しかし、アフィリエイターとして私が冒した最大の過ちは、1サイトに依存して生計を立ててしまったことです。

あなたには私のように一時の成功に甘んじることなく、ぜひ様々なジャンル、複数のサイトを作り続けて欲しいと思います。

アフィリエイトで成功すると、本当の意味で自由を手に入れることができます。

私もアフィリエイトで食べていくことをあきらめたわけではありません。

これからもアフィリエイターとしてサイトを作り続けていくことに変わりはありません。

ただ、アフィリエイトだけに依存した生計の怖さを痛感しているので、何か実業を同時に持つというリスク分散をしていくつもりです。

あなたのアフィリエイト成功体験など、コメントに残していただけると嬉しいです。

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