介護 暮らし

高齢者の転倒。やる気と危険は隣り合わせ⑥終:傷の経過|らっこ

庭で転んで擦り傷を作ったこぎ父の傷の経過です。

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傷にはクイックパッドを当てて防水フィルムで保護をし、夕飯はいつも通りに過ごしてこぎ父も平気そうにしていました。

 

~夕飯後~

ゴミ捨てで玄関を行ったり来たりしていたこぎ父からの訴え。

痛みを訴えるこぎ父

 

急に足の甲が痛くなってきたのか、お酒を飲んでいて顔は赤いのですが青い顔で相談されました。

そこでやっと考え至るらっこです。

 

けが人に酒を飲ませたことを反省するらっこ

 

そうですね。

こぎ父がいつも通りだったのでうっかりしていましたが、晩酌、思いっ切りスルーしていました。

「怪我をしていますから、今日は飲むのを控えましょう」

くらい言えば、こぎ父もきっと今日くらいはやめておこうかと、お酒を控えてくださっただろうにと思いつつ、まあね、仕方ないですから。

痛いのはご本人だわ。(鬼)

足の様子を見ると、クイックパッドが大きく膨らんで体液が出てきている様子は分かったのですが、表面上の異変はらっこにはわかりません。

膨らんだ白くクイックパッド

 

ツレが後で言うには

「随分足が腫れていた」

とのことでしたが、らっこ、こんなもんだろうと、そんなに腫れてもいないんじゃないかと判断。(素人判断の危険さ)

「貼り替えが必要そうな状態でもなさそうなので、一晩様子を見てみましょう」

とぬるい対応。

心配そうなこぎ父をよそに、素人判断なんてこんなものだわ。(鬼)

その後、ネットでクイックパッドの使用方法を確認してみると

前略~

ズキズキした痛み等の自覚症状がある場合ははがして確認してください。貼り替えの際は必ず、水道水等でしっかり傷や傷の周囲を洗ってください。

後略~

参照:よくある質問 『傷の状態をどのようにして観察するの?』よりクイックパッド|製品情報|救急絆創膏の阿蘇製薬株式会社 (aso-pharm.co.jp) 閲覧 2021年2月4日

うん。

はがして確認しよう。

一晩待たずにすぐやろう。

 

こぎ父に改めてクイックパッドの貼り直しと、傷を水で洗うことをお願いしました。

そうだそうだ。

足の甲は貼る時に、水で洗わなかったところだったんですね。(反省)

テープをはがすと、防水フィルムに閉じ込められていた体液が溢れて流れるほど。

痛みがなくても、貼り替えのタイミングだったかもしれません。

ティッシュで拭き取り、様子を観察。

少し血が混じったような赤色もありつつも、幸い、少し白濁した体液は、たぶん、きっと、膿じゃないだろうと判断。(素人判断恐~)

化膿はしていない!(たぶん)

こぎ母とツレが歯磨きをしている洗面所に割り込んで、こぎ父に、足の甲を水洗いしてもらいました。

水気はよく拭き、消毒はしません。

傷の大きさに合わせて、クイックパッドは普通サイズを半分にカット。

防水フィルムも貼り直し、一晩様子を見てみましょう。

 

 

 

 

 

 

と、思って休んでもらった深夜。

「らっこさぁん……」

 

痛み止めを求めるこぎ父

 

足が痛くて眠れなかったようです。

寝室から片足を引きずってやってきたようで、なんとまあ痛々しい。

寝るときは歯の保護のためにマウスピースを装着して寝ているこぎ父。

マウスピースのせいでが若干訴えがフンガフンガしていてさらに痛々しい。(声は関係ない)

 

お酒のせいか?

傷が思ったより重いのか?

 

らっこが持っていた痛み止めをとりあえず飲んでもらいました。

傷の様子はパッドをはがさずに観察。

表面上は異常を察知できず。(素人判断)

きれいに膨らんでいて体液の漏れもなし。

腕の傷の方は、防水フィルムの中でせき止められるように体液が溢れかけているようではありましたが、ご本人が腕の痛みは平気だというのでそのままに。

その場しのぎの痛み止めで耐えてもらって寝てもらうことにしました。

 

~転倒の翌日~

朝、痛み止めを飲み直し、それでも片足を引きずって歩いていたこぎ父。

ツレが車でかかりつけ医に連れて行ってくれました。

 

~診察の結果~

問題なし。(ほッ)

木槌で叩いて痛みがないのなら、骨も大丈夫。

傷口はパッドを貼ったままの状態で様子を見てもらい、問題なさそうだということ。

処方は化膿止めの飲み薬。

痛み止めはこぎ父が頼んで追加で処方してもらったそうです。

もしも頭を打っていたりすると何かあるかもしれないからと、5日後にまた来るようにとのこと。

再診の約束は、心配性のこぎ父の性格も考えてのことかもわかりません。

「大丈夫」と言って「もう来なくてもいいよ」と言えるような状態だったとしても、また改めてお医者さんに診てもらえると思える状況のほうがたぶん、こぎ父には安心材料。

らっこだったら、

「えぇー?また行かないといけないのぉ?」

なんて思ってしまうかもです。

 

こぎ父に痛み止めを飲ませた後のこと。

もしもあまりに痛みが強いようであれば、実は骨が折れていました、なんてことにならないよう、レントゲンのある整形外科にいったらいいんじゃないかとツレと話していたりしましたが、結局、普段から知っている先生のところにひとまず行ってみようと、かかりつけの先生に診てもらったこぎ父でした。

内科の先生なので、レントゲンは病院には無いとツレは記憶していましたが、無くてもないなりに診察はできるんですね。

「木槌でトントン叩いていたよ」と。

 

かかりつけ医というのはなるほど、心強いものですね。

こぎ父もお医者さんに「大丈夫」と言ってもらって安心したでしょう。

前日にこぎ父が転んだことをすっかり忘れていたこぎ母に、再び質問攻めにあうこぎ父でした。

 

こぎ母に問い詰められるこぎ父

 

夜はもちろん、晩酌中止。

禁酒です。

こぎ父「もう平気だよ、大丈夫だよ」といって足でどんどんと床を踏みつけたり、フィルムの上から足の甲をさすって見せてくださる。

「いいですからいいですから!安静にしてください!」

油断禁物

 

~夜~

足の甲と、腕に貼っていたパッドの貼り替え。

足の甲は念のため。

普通の絆創膏に貼り替えようかと何度も迷いつつ、やっぱりまだ表面の皮膚ができあがっていないような気がしてクイックパッドにお出ましいただきました。

腕の傷は、最初に足の甲でもあったように体液が溢れてパッドの容量を超え、防水フィルムに閉じ込められて皮膚の上にとどまっている感じ。

部分的に赤い体液もあり、多少の出血は続いていたのかもしれません。

交換するのが遅すぎたくらいかもしれません。

溢れた体液を吹きながらのフィルムはがし。

フィルムとパッドをはがすと皮膚も伸びます。

粘着力に感心しますわ。

ご老人の皮膚。

フィルムとパッドと一緒にビリリと皮膚がはがれやしないかとドキドキしながらはがしていたら

老人の伸びる皮膚

 

「こんなに伸びても皮膚ははがれないもんなんだねえ。

不思議だねえ」

 

こぎ父もご自分の皮膚をそんな風に思ったようです。

らっこは何度も「痛いですよね?すみませんすみません。痛くないですか?」と聞きながら、そうっとそうっとはがしたつもりでしたが、こぎ父は「大丈夫。痛くないよ」と言うだけで、本当は大なり小なり痛かったはずだと反省。

お湯で濡らしながらゆっくりはがすとはがしやすくなるようですが(調べた時に確認済み)お湯や洗面器を用意する手間を省いてしまいました。

これからの起こるかわからない怪我やその手当のことを考えると、ご本人の負担軽減を優先させて考えようと、あとになってから思うばかりです。

 

~さらに翌日~

「痛みはないんだけどさ、一応痛み止めは飲んだよ。でも、痛みはもうないね。大丈夫」

あらら?

処方された痛み止めに痛みの予防的な効果があったのかわかりませんが、痛くなくても痛み止めを飲むとは……

1日普通に過ごされていました。

 

「お、今夜もご馳走だね。(よくこういう言い方をしてくださる)これはお酒がすすみますなあ」

「え?あれ?もう、ごはんとお味噌汁もよそってしまいましたよ?」

「そうか…まだお酒はダメか……抗生物質(化膿止め)飲んでいるうちはダメですかね」

まあ、極論、怪我で痛いのはらっこではないので、飲みたければ飲んでもらってもいい気はしますけど、お酒を飲むとねえ?

また痛くなるんじゃないの……?

まだまだ禁酒です。

 

~さらに翌日~

こぎ父も普段通りでなにごともなく。

 

~さらに翌日~

手に貼っていたパッドの防水フィルムがはがれかけてきました。

この部分は一度も貼り替えていなかったので、考えてみれば一番濡れやすい手の部分、よくぞ今まで頑張った。

腕や足の甲は、こぎ父が大丈夫だという言葉につられて何もせず。

足の甲は体液も気になりませんでしたが、腕は少々膨らみ過ぎて体液が溢れていそうな気がしないでもない。

触れるとブヨブヨする感じ。

再診の前に(明日の晩に貼り替えるか)様子を見ましょうということにして何もせず。

 

お酒は解禁。

まあ、そろそろ本人が大丈夫ならいいのかなあと。

以前怪我をした人から聞いた話では、お酒を飲むと怪我の回復が遅くなると医者に言われたから、治るまでは飲みません、と。

この姿勢、見習ってほしいと思うけど、まあね、痛いのはらっこではないわけですよ。(鬼)

ほんと、ツレが海外で怪我をしたと聞いた時も、お酒を飲むのをやめてほしかったけれど、伝えたけれど、止めてくれなかったもんなあ。ツレのお父さんだもんなあ。(今は止めています)

 

~再診の前日~

うっかり。

傷の様子を見ることなく寝てしまったわ。

こぎ父、痛みはもう治まって平気なご様子につられてうっかり。

 

ちなみにこぎ父、病院に行った日の夜

「お風呂には入らないようにっていうことだったから、次の診察までわたしはお風呂は入りませんから」

とらっこに報告してくださっていました。

転んだ当日は確かに、入浴で体が温まるのは痛みを増幅させそうでしたが、5日後の診察まで入らないだって?

ツレに話すと、

「お医者さんはそんなことひと言も言っていなかったよ。

あれは親父が

『お風呂には入らないほうがいいですかね』

って言って

『そうだねえ』

くらいに返されていただけだよ。

完全に思い込みだ」

と、病院での様子を解説してくれました。

 

こぎ父「年寄りはそんなに汗もかかないから大丈夫」

「でも、頭が痒くなるんじゃないですか?」とらっこがきいても

「大丈夫」

とのこと。

 

しかしらっこは見てしまったのです。

再診で病院に行く前日に、こぎ父が右手に持っていたハサミでご自分の頭をかいていたのを……!

め、めっちゃ痒かったんじゃなかろうか?

 

~再診~

防水フィルムとパッドをはがしてから診察に行ければよかったのでしょうけれど、今度はお一人でかかりつけ医にさっさと行って来ていました。

帰宅後お話を聞くと、

今度はすべてのパッドをはがして傷口の確認もされたということ。

はがすのが大変で

「よ~~~くくっついてるねえ。ずいぶんしっかり貼ってあるねえ」

たいなことを言っていたとのこと。(だからはがして行くんだったな)

足と腕に消毒をして、それで終わったよ、と。

 

病院の茶色っぽい色がついた消毒液を塗ったというむき出しの傷跡を見せてくださいました。

あれれ……

せっかく湿潤療法で消毒しないで治そうとしていたのに、病院行って消毒かぁ……

とは、思っても言いません。

なかなかきれいに治りかけの部分と、ちょっとかさぶたになってしまっているっぽい部分とありましたが、ともかくこれで大丈夫そうです。

らっこだったら傷口の保護に、もうしばらくは普通の絆創膏を貼って過ごしたい所でしたが、こぎ父は「絆創膏ももういいよ」と、へっちゃらなご様子。

しばらくしてから、手の傷だけは絆創膏を貼ったようでした。

お風呂に入らなくても一番濡れるところですからね。

 

その後傷口は見せてもらっていませんが、痛みもなく普通に過ごせているようです。

よかったよかった。

 

今回の転倒は、打撲と擦り傷で済んだようです。

こぎ父は一晩おつらかったでしょうけれど、軽傷で済んでよかったです。

あとはご自分の治癒力で回復するのを待つのみ。

 

みなさんも、不安定な足元で庭の剪定みたいな繊細な作業をするのは止めましょう。

繊細な作業でなくても、サイズの合わないつっかけはダメヨ?

 

らっこも気をつけます。

 

 

 

買い置きしておいた普通サイズのクイックパッドは貼り直しで使い切ってしまいました。

1枚は以前使っていたので9枚残っていたというのに。

9枚使ったのよ?

9枚!

クイックパッドの普通サイズと大きいサイズ

いい機会だと思い、大きめサイズも念のため追加で買い足してもらいました。

使うことがない方がいいのですが、備えるに越したことはないかと。

 

それでもやっぱりお値段が気になりますので、ラップを使った湿潤療法も予習しておこうと思います。

 

 

こぎ父の怪我の話はここまでです。

最後までお付き合いくださりありがとうございました。

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