介護 暮らし

出来事は忘れても感情は覚えている、らしい(完)|らっこ

大好きな恩師の訃報に涙を流したこぎ母でしたが、悲しみに浸ってばかりでもいられません。

夕食後の歯磨きをして、眠る支度を整えたいところです(家族の都合か)

<前回までの話>


誰が死んだの?と、こぎ父に尋ねるこぎ母
出来事は忘れても感情は覚えている、らしい(2)|らっこ

こぎ父がこぎ母に、こぎ母が大好きだった恩師の訃報を伝えたお話です。 しばらくの間、こぎ母には内緒にしていたこぎ父でしたが、こぎ母に伝える決心をしたようでした。 <前回の話> こぎ母が、ショートステイか ...

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電話でワトソン先生の訃報を聞いて驚くこぎ母
出来事は忘れても感情は覚えている、らしい(3)|らっこ

恩師の訃報をこぎ母が知りました。 知った直後には落ち着いていたようでしたが、しばらくすると「誰が亡くなったのか」わからなくなってしまったようで、こぎ父にたくさん質問をしていました。 <前回までの話> ...

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上機嫌に電話で「問題ないよ」と話すこぎ父
出来事は忘れても感情は覚えている、らしい(4)|らっこ

大好きな恩師の訃報を知ったこぎ母は、心安い御友人との電話でとうとう涙を流していました。 <前回までの話> 涙を流したこぎ母と電話を替わったこぎ父。 こぎ母には背を向けつつ、それにしても随分と明るくすっ ...

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私が先に死ねばよかったのに
出来事は忘れても感情は覚えている、らしい(5)|らっこ

大好きな恩師の訃報を知り、悲しみに沈むこぎ母でした。 <前回までの話> 普段であればそろそろ、こぎ母はお布団に入る準備をする時間。 ツレが、歯磨きをしようと洗面所に行くよう誘導しますが、狭い廊下で立ち ...

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ゆっくりと一歩ずつ、ツレが洗面所に誘導します。

歯磨きのために洗面所にこぎ母を誘導するこーぎー

 

洗面所にたどり着いたこぎ母とこーぎー

 

何しに来たんだっけ?

 

「ああ、そうか」と納得したようで、しばらく黙って歯磨きをしていたようです。

(歯を磨きながらおしゃべりできないからね)

 

歯磨きをするこぎ母とこーぎー

 

涙を流しながら。

 

誰と誰が死んだのかとこーぎーに尋ねるこぎ母

 

ん?

いつの間にか『ふたり』亡くなったことになってやしないかい?

 

『出来事は忘れても感情は覚えている』ようだと、認知症の方への対応の手引きによく記載されているのではないかと思います。

らっこもどこで初めて聞いたり読んだりしたのか記憶にないくらい、『覚えていないけど覚えているんだよ』『どうせ覚えていないから、なんて接するものじゃありませんよ』みたいに言われているかと思います。

その言葉の意味を今回、はっきりと実感した気持ちです。

 

『なんで悲しい』のか忘れてしまっても『悲しさ』は忘れていないのですね。

 

 

ツレとこぎ母が歯磨きをしている間に、こぎ父がこそっと話してくださいました。

 

「今日でタイミングよかったと思います」

 

こぎ母にワトソン先生の訃報を伝えたタイミングのことのようです。

伝えたこぎ父がそう思えたタイミングだったみたいなので、らっこもよかったと思いました。

 

 

後日談に続きます。

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