年末とお正月が近づいてきたので(そりゃあ一緒に近づくわ)、黒豆を煮てみました。
らっこ、初めてです。(きゃっ)
煮方は、買ったお豆の袋に書いてあるように。
黒々ツヤツヤふっくらと。
やわらかすぎず、かたすぎず(変化します)。
甘すぎることなく物足りないこともなく。
「これ、売れるよ?売り物だよ?」
ツレの誉め言葉です。(照)
本番のハードルが高くなるわ……
黒豆
豆 200g
水 7カップ(1.4リットル)
<A>(・調味料)
・砂糖 200g(てんさい糖を使用)
・しょう油 小さじ2
・塩 小さじ1/2
・重曹 小さじ1/2(無くても可。らっこは入れませんでした)
サビ釘 5~8本(無くても可。洗って布袋に入れ口を結んでおく。らっこは鉄なすびを使用しました)
お豆の袋に書いてあるように、できるだけその通りにやってみました。
らっこ、黒豆を煮る
1.黒豆の煮方が書いてあるお豆を買う。
2.できるだけ、その通りに煮る。
そういうことをきいてるんじゃねえっ。
失礼しました。
虎屋産業株式会社の北海道産黒大豆の上手な煮方にならいます。
1.水を沸かして<A>と水洗いしたお豆を入れて、5時間くらい浸す。
2.火にかけ沸かしてアク取りして水を1カップくらい(分量外)加えて、落し蓋と切り蓋をしてとろ火でやわらかくなるまで煮る。
3.豆が茹で汁から出ないように、必要であれば差し水をして、煮汁がひたひたになったら火を止めて一昼夜置いて味を含ませたら、おいしくいただくと。
らっこがまとめて振り返ると、こんな流れです。
今回は、お昼に浸し始め、夜、寝るまで火にかけ、翌日煮詰めてその日の夜に食べ始めました。
作業したのは2日間。
一度に全部は食べきりませんから、その後、味が馴染んでお豆がやわらかくなるという変化を楽しみながら、毎日少しずついただいています。
朝から始めれば、1日作業で翌日放置(馴染ませる)。
二日目の夜にはおいしくいただけるのかもしれません。
自分の生活の中に、黒豆を煮るという時間をどう組み込むかを考えるところが、作業の始まりかもしれません。
それでもまあ、まずはお豆を買うところから。
スーパーの棚にあったのは、虎産の黒大豆と丹波の黒豆の2種類。
黒豆を煮るためのお豆を買いに行き、黒大豆を手に取りながら、
「これでいいのか……?」と一瞬悩んだことは内緒です。(言ってるがな)
大丈夫です。
黒大豆ですから。
隣に並んでいた丹波の黒豆は、30%引きのシールと大きな粒に惹かれましたが、量が少なく、30%引きでも200g入りよりも割高で、賞味期限が来年の1月まででした。
おそらく1年前に収穫された古いお豆だろうと想像して、立派な大粒に後ろ髪を引かれながらも、「小心者のらっこは小粒で初心者らしくていいじゃないかと」200g入りの黒大豆を選びました。
いろんな煮方があるかと思いますが、作り方は、お豆の裏面にならいます。
NHKの、たしか、「みんなの料理」で、着物姿のおばあさん先生が解説してくださっていた黒豆の煮方をメモした古い手帳も読み返しましたが、3晩がかりで煮る作り方だったので、やっぱりちょっとハードルが高い印象。
おばあさん先生のお顔とお名前はさっぱり憶えていないのですが(失礼)、しゃべり方が印象的で、「~~なのよ」「~~よ」と、少し強めの語り口調が記憶に残っています。
手順がシンプルなお豆の裏面にならいます。
●黒大豆 200g
あいよ。一度に一袋全部煮るんですね。
①豆を軽く水洗いしてザルにあけます。
はいはい。
優しく洗わないと、皮が破けてしまうそうですので、そっと洗います。
②深鍋に水7カップを煮立て、調味料、豆(サビ釘)を入れて火を止め、5時間くらい浸します。
注)豆を給水させる際、皮が破れる時がありますが、加熱が進むとなじんでいきます。
材料欄の、「・」が付いているのが調味料です。
はいはい。
まずはお湯を沸かすんですね。
こーぎー家にある一番大きいお鍋に水を3リットル入れて、え?普通のお家に7リットルも入るお鍋なんてあるの?と焦って説明書きを読み返したら、7カップの間違いだったことに気がついたらっこです。
本当に一人で焦っていましたから。
水は1.4リットルです。
火をつけて煮立たせます。
●砂糖 200g
お豆と同重量の砂糖を加えるとは、かなり甘くなるのではないかと内心心配。
甘すぎて食べにくくなるのは嫌ですが、甘くなくっておいしくないのもつまらない。
下手に減らしてつまらないのもつまらないので(もう考え方が面倒くさいわ)、200g用意します。
NHKの先生は、「黒豆を煮るお砂糖は、白ざらめかグラニュー糖」と仰っていたのをメモしていましたが、らっこはてんさい糖を使いました。
そこにはこだわらないらっこです。(買っていないのよ、白ざらめ)
200g。結構な量です。
●しょう油(小さじ2)
●塩(小さじ1/2)
は、煮たってから計り入れましょう。
●重曹(小さじ1/2)
重曹は、食器棚の下を整理したときに、こぎ母が買ったらしい食品用のものがあったのを覚えていたので出してみました。
菱印重曹。
賞味期限が’10.6.04 になっています。
現在。2019年12月。
なんだかちょっと、どきどき。
一応開けてみます。
口を止めていた輪ゴムが年季入っています。
背面には、黒豆とかを柔らかく煮るようになどと書いてありました。
やっぱり使うんですね。
保存方法に、”開封後は(中略)お早めにお使いください。”とあったので、使うのはやめておきます。
この重曹は、お掃除用に使わせていただきます。
柔らかく煮えなかったら、残念ではありますが、お腹を壊すよりはいいでしょう。
●サビ釘(5~8本)
ツレに探してもらえばあるかもしれませんが、探してもらうのが大変そう。
何週間か前に、ホームセンターで見つけたコノコを使いました。
南部鉄でできた茄子です。コノコよコノコ。
「最近立ち眩みがして、貧血気味っぽいんです」とツレに相談していたら、出かけたホームセンターにあったのです。
「これは良いんじゃない?」と、勢いで買ってもらいました。
お湯を沸かす時にやかんに入れて、鉄分補給をしております。
まさか黒豆を煮るときに出番が来るとは。
表面のサビが足りないかもしれませんが、何も入れないよりはいいでしょう。
黒豆が黒豆らしく黒々と仕上がるのは、サビ釘の成分の何かと、お豆の成分の何かの化学変化の様なのですが、らっこの脳みそでは、きちんと解釈理解ができておりません。
入れなくてもいいけど、あれば入れて、代用品が見つかれば入れたらいいと思います。
今回、初めて煮たのに黒々と出来上がったのは、南部鉄茄子のおかげかもしれません。
お湯が煮立ったら、調味料を加えます。
沸騰させなくてもいいんですね?
ボッコボッコ沸騰しているお鍋に、ばっとてんさい糖を入れたら、ブワボコボコオオッッッッ!!!
お湯が飛び跳ねてめっちゃビビったのは内緒です。(言っているがな)
気をつけます。
噴きこぼれてしまった大さじ2くらいの水を足して、調味料と茄子を入れて砂糖が溶けたらお豆も入れて火を止めます。
お豆が浮かんでいます。
ヘタにかき混ぜたりして皮が破けると損な気がしまして、ひとまず待機です。
ふたをしましたよ。
5時間くらい浸すとありましたが、夕飯の片づけが終るまで、6時間半浸していました。
いつの間にかお豆は底に沈み、漬け汁が真っ黒です。
黒豆の煮汁が黒いことは知っていましたが、いざ、自分で初めて作業してみて、黒い液体に驚いたらっこでした。
驚くなよ。
水分を吸ったお豆は、膨らんだのでしょうか。
浸す前のお豆の大きさが思い出せません。
たぶん、膨らんでいます。きっと。
③初め強火にかけ、煮立ったらアクをすくい取り、水約1カップを入れます。
はいはい。
強火にかけて、水(分量外)を用意しておくんですね。
アクが出てきたら、丁寧にすくい取ります。
水を1カップ加えました。
④とろ火で落としブタと鍋ブタ(少しずらして)をして途中、豆が茹で汁から出ないように差し水をして、豆がやわらかくなるまで煮ます。
やわらかくなるまでが、どれくらいやねん!(なぜ関西風?)
と思いっきり突っ込んでやりたい気分にもなりますが、こういうレシピ、好きならっこです。
その場合その場合の、状況によるよね、ということですね。
まず、落としブタが無いので、クッキングシートで丸く形作り、中央に穴をあけて代用します。
鍋のふたは、少しずらして、とろ火にセット。
黒豆を煮始めた台所には、砂糖の甘い香りが漂ってきました。
懐かしい香りだな。
そうか。
お母さんは、お豆を煮ていたんだ。
小さい頃、実家でよく嗅いでいたような、それでいて、ここ数年はもうあまり記憶にないような、なぜだか妙に湿っぽい気分になりました。
20分くらいおきに様子を見て、約2時間。
ゆで汁はたっぷりあったので、差し水はしませんでした。
やわらかくなっているでしょうか。
あら?
まだかたそうです。
NHKのメモによると、
”やわらかくなるまで、約1時間半煮る
親指と薬指で押して、何の抵抗がないくらいのやわらかさになる”
自分で書いたメモの助詞の使い方が気になりますが、それは置いておき、やわらかさの確認方法にメモが役に立ちました。
2時間近く煮ているのに、硬かったです。
もう2時間煮ました。
ゆで汁が減ってきたのを実感しますが、まだまだお豆にしっかりかぶっています。
再度、親指と薬指でお豆を押すと、皮だけ破れて、実はつぶれませんでした。
まだ煮えていないようです。残念。
様子を気にかけてくれたツレに、
「黒豆大丈夫?焦がしちゃったりしない?」
と真顔で心配されたので(焦がすという発想はありませんでしたわ)、そろそろ寝たいですし、火を止めて、ずらしていたふたを合わせて眠りにつくことにしました。
翌日、すっかり冷めた黒豆のかたさをもう一度確認すると、
すんなり潰れました。
余熱で火が入ったのでしょうか。
⑤煮汁がひたひたになったら火を止め、一昼夜おいて味を含ませます。
サビ釘を取り除いてからお召し上がりください。
ということで、まだ煮汁がなみなみと残っていたので、もう一度とろ火にかけることにしました。
もう1時間たった頃、落としブタがわりのクッキングシートが、やけに盛り上がっていることに気がつきました。
試しに、一度はずして穴を増やしてみました。
これでいいかしら?なんて思ってのんびり煮続けていたら、
あら?
もう、ひたひたでいいんじゃないかしら?
火を止めて、クッキングシートを外してみたら、あらあらら?
あれれ?
お豆が煮汁から顔を出してしまっています。
あれ?ひたひた?
ゆで汁から、豆が出ないようにするんじゃなかったっけ?あれれ?
よく分からずに考えているうちに、お豆が、
きゃー
シワシワになっちゃったよー(涙)
叫びませんでしたが、叫びたい気分。
失敗した。こんなつもりじゃなかった。ひたひたの煮汁ってどういうこと?煮詰めるんじゃなかった。何をやっているんだらっこは。
煮汁なんて、これっぽっちしか残っていないじゃないか。
ブクブク泡が立っていたので、こんなに少なくなっていることに気づいていませんでした。
頭でごちゃごちゃ考えながら、箸置きに取りよけてみました。
しわくちゃ。
いやん。
シワの寄った煮豆が好まれる地域もあるそうですが、らっこはツヤツヤがいいよう。
つやつやした黒豆が食べたかったよう。
試食してみると、あれ?
かたい。
というのが第一印象。
えええ?
煮始める前に指で軽く潰れたので、てっきり柔らかく煮えているのかと思っていたのですが、なぜ?
口の中の食感は、豆らしいかたさがしっかり残った煮え加減かと。
市販の煮えた黒豆を食べるのも、今年の正月が最後だったかと思うと、このかたさがいいのか悪いのはよくわからないというのが本音です。
別に、食べられないほどかたいわけではないけれど、もう少しやわらかい煮豆を想像していたらっこでした。
第二に、甘い。
まあ、当然なんですが、甘かったです。
何粒か食べて感じたのは、甘いのはまだお豆の表面の方で、中心部までは同じ甘さになるまで染みていない、ということでした。
ずい分小ぶりなお豆だったのに、あんなに煮ても、まだ染みていないんだという小さな驚き。
表面はガッツり甘いけど、中心部はそれほど甘くない。
んんん。
微妙。
中間くらいの甘さで、中までしっかり同じくらいの甘さがいいわ。
あああ。
いろいろ失敗だったけど、とりあえず、お豆を煮汁に浸からすように、とりあえずお湯を加えてみました。
すると、あらら?
お豆の表面が、みるみるふっくらと復活してくれました。
え?どういうこと?
差し水は、水が冷たいと急激な温度変化が何やらよろしくないとかで、(解釈と理解が足りなくてすみません)お湯を加えるように、と何かで読んだ記憶があったのですが、お湯がよかったのでしょうか?
黒豆ふっくら。できました。
なぜ?
ツヤツヤピンピンとまではいきませんが、ふっくらしてくれました。
ありがとうございます。(誰に?)
味はともかく、もう煮ないぞ。
清潔な容器に入れて、冷蔵庫で保存します。
200gの黒豆で、ジャムの小瓶3つに収まりました。
4人でしばらく食べるのに、ちょうどいい量だったと思います。
味はともかく、せっかく初めて黒豆を煮たので、どのお皿によそおうか、いろいろ試してみました。
小皿にもなる箸置きだとどうかしら。
いたって普通。
一度も使ったことのない、派手できれいな中華風の小皿。
派手で豪華です。
お正月先取りです。
白い小皿は、黒豆の黒が引き立ちます。
小鉢によそえば、たっぷり煮汁も取り分けられます。
さあ、どれにしようか悩んだらっこは、結局詰めた瓶ごと食卓に出すことにしました。
雑だなっ。
お好きなだけ、ご自由にどうぞ、が、一番贅沢だと信じています。
昼間に味見をして、なんだか残念な気分だったので、一昼夜、もうひと晩、味を含ませるためにもおいておこうかと思っていましたが、ツレが、
「できたんでしょ?せっかくだからみんなで食べようよ」
と言ってくれたので、夜、皆さんにも黒豆を食べていただきました。
「あらー、らっこさん。黒豆煮てくれたんだね。大変だったねえ。シワもなくこんなにきれいに煮て。ん、おいしい」
「黒豆?お正月みたいだねえ。お~いしいじゃない」
「おいしいよ?かたさが俺の好みだな。俺はかためのが好きなんだよ。甘さもちょうどいい」
え?なんですか?この褒め殺し。
らっこも食べてみると、あらららら?
昼間に試食したときよりも、なんだか美味しい。
この変化が、味を含んだ、ということなのでしょうか。
昼間、かたいと思ったよりも食感がやわらかく、甘さもなんだかちょうどよく感じられました。
時間が作ってくれた味なのでしょうか。
「黒豆はねえ。煮るの大変なんだから、買ってきたらいいのよ」
こぎ母がこぎ父に話していたので、お口に合わなかったのかな?やっぱり市販の黒豆の方が間違いなくおいしく食べられるかな?としょんぼりしました。
「らっこさんが煮てくれたんだよ?おいしいじゃない?」
こぎ父に言われると、
「あら!作ったの?いつ作ったの?まあ。おいしいじゃない」
と言ってくださり、おかわりもしてくださっていました。
ツレの話だと、こぎ母も昔は黒豆をご自分で煮ていたそうです。
「2~3日かけて煮込んでいたと思うよ?」とのこと。
かたさはツレ好みのようでしたが、
「せっかくなら、もっと大きなお豆で食べたいよ」
「それはそうなんですけどねえ。高いんですよ?」
「そおだよ?黒豆高いんだからねえ?」
スーパーの隣に並んでいた、30%引きの丹波の黒豆の話をしました。
「正月ぐらい、贅沢してもいいだろう?」byこーぎー。
えー?
らっこの心の「えー?」は、「お正月じゃなくても、たまには黒豆食べたいよお」の、えー?でした。
本番のお正月用にはどうするか、もうしばらく検討してみましょう。
「○○兄さんがいてくれたらねえ。なんでも作って持って来てくれたんだけどねえ」
農家出身のこぎ母は、田舎での昔の暮らしが思い出されたようでした。
たぶん、「煮た黒豆」ではなく、「収穫した煮る前の黒豆」のことを話しているんだろうと思って聞いていましたが、「煮たお豆」をもらっていたのでしょうかね?
ともあれ、大絶賛(自分で言う)だった黒豆は、翌日、
「なんか、やわらかくなっていない?」
「なんか、昨日よりおいしくなっていません?」
ツレと小声で話しました。
味がさらに含んで、おいしくなったのでしょうか。
変化を楽しむのも、手作りならではなのでしょうか。
黒豆の煮汁。
こぎ父は、ごはんに豆汁をかけて食べるのがお好きなようで、「汁がおいしいんだよね~」と嬉しそう。
こぎ母は、「汁まで全部飲んじゃった」
らっこは、ヨーグルトにきな粉たっぷりと煮汁をかけて、「ヨーグルトが和菓子みたい~」とご満悦。
さてさて、お正月の本番にも、おいしく炊けるでしょうか。
ごちそうさまでした。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。