大型の台風19号が通過した夜。
横浜のこーぎー家でも停電がありました。
1回目は、夕飯を食べ終え、少しのんびりしていた頃。
当然のことながら、停電の瞬間は突然真っ暗になり、何も見えません。
すぐにツレが、スマホのライトを点けてくれました。
ツレのスマホの明かりを頼りに、私が電池式のランタンを取ってきて、お台所に置きました。
非常時用に常備していたランタンでしたが、いざという時に真っ暗だと、取りに行くまでが危険だということに今頃気がつきます。
ツレもこぎ母もこぎ父も、動揺することなく、淡々としています。
体感としては、2~3分。
すぐに停電は復旧し、明るい中でこぎ母に、夕飯の洗い物をしてもらえました。
幸い、水とガスは通じていました。
雨戸を打ち付ける風雨が強まってきました。
先前の台風15号の時を思い出します。
入れっぱなしだったパソコンの電源を落とし、昼間、ツレが出してくれたヘッドライトに、マグライト(小型の懐中電灯)、スマホをウエストポーチに入れ、腰に巻きました。
片づけが終ったこぎ母とテレビのニュースを見ます。
停電しては数分で復旧。
そんなことが何回か続き、再びの停電。
今度はなかなか復旧しません。
キャンプ用の乾電池式のランタンに助けられました。
ツレと私は、ヘッドライトをつけて動きました。
しばらく装着していると、おでこが痒くなりました。
初めてでした。
ライト部分のおでこに当たる面が、滑り止めなのかウレタンが付いており、おそらくそのウレタンにかぶれかけていたんだと思います。
ツレも、おでこがかゆいと言って、動くとき以外ははずしました。
おでこがどんなに痒くても、両手が使える安心感は、ヘッドライトのおかげ。
懐中電灯も必要ですが、ヘッドライトもあってよかったです。
東日本大震災で被災したお坊さんが、「両手が使えるヘッドライトは備えるように」と訴えていた通りだと思いました。
こぎ父が、防災リュックから手回し充電式のラジオを出してくださり、ラジオの情報に耳を澄ませます。
いつ停電が回復するかわからない中、私は、ランタンの電池もできるだけ最小限で節電したいと感じていました。
こぎ父は全く動揺していないようで、ランタンをつけるつける。
こぎ母の動線のためにも、明るくしてあげようと思ったのでしょう。
電池が切れたらどうするのかと心配で心配で、ツレの言葉で言えば、パニックになりかけていたと思います。
停電のため、テレビのニュースも見られなくなり、こぎ母は「もう寝るね」と言って眠りにつきました。
しばらくして、こぎ父も眠りにつき、ツレと二人でラジオを聴きながら停電が復旧するのを待ちました。
雨と風のピークが過ぎたようで、外はしんと静まり返っていました。
窓を開けて周りの様子を見ると、道路を挟んだ向こう側の家々には明かりがついていました。電灯も見えます。
停電は、見える範囲ではそれほど広くないようでした。
スマホの電源が惜しかったため、手回しラジオに頼り、停電してからはあまり、スマホでは情報収集ができませんでした。
非常時の情報収集源を複数取得しておくことの必要性を、台風15号で大きな被害が出た千葉の市長さんが訴えていました。
その通りでした。
被害が停電だけで済んだからよかったものの、備えの甘さ。
ツレも私も、普段はほとんどテレビを見ないため、映像で見る天気予報は久しぶりでした。
長時間の停電の前に、進路の予想などを確認できてよかったです。
備えの甘さ。
こぎ父が眠ってから、ツレがキャンプ用品のランタンを出して点けてくれました。
備えに感謝。
コールマンのカセットガス式ランタンだそうです。
暗くて写真だとよく見えませんね。
キャンプ用品に、屋内でお世話になる日が来てしまいました。
ルミエールというのだそうです。
カセットガス式と言われても、燃焼時間などは私にはピンとこないのですが、電池を消耗する心配からは逃れられました。
LEDタイプの眩しく明るいランタンよりも、炎が燃える明るさに、気持ちは落ち着いていきました。
電池タイプの方が明るくて作業はしやすいかもしれませんが、炎を見つめたほうが気持ちが落ち着くことを痛感しました。
しばらくツレと、停電の復旧を待ったのですが、ツレが眠そうにしていたので、眠ることにしました。
翌朝、日が昇っても停電は復旧していませんでした。
暴風雨が去り、静かな朝でした。
電気が止まっているため、冷蔵庫の音がしないのも、静かに感じた要因でした。
午前中には復旧しましたが、結局、14時間ほどの停電状態。
冷蔵庫の中身は心配になりましたが、心配事が冷蔵庫の中身とは、なんとも暢気なものだと反省。
自分にとっての当たり前は戻りましたが、当たり前が失われたテレビのニュースを見ると、言葉になりません。
当たり前だと思っていることが、当たり前ではないことをもっと強く、自分に言い聞かせて過ごします。
今夜は祈って眠りにつきます。