贈っていただいた、浅草今半の牛肉すきやきをいただきました。
大食いのこーぎー家の食卓に出る量としては、上品すぎるボリュームです。
何種類も入った佃煮セットでいただいて、大事に大事に、食卓に出すタイミングを伺いながら、最後の楽しみにとっておいたのが、牛肉のすきやきです。
小鉢ひとつ分を、4人でいただきます。
ツレに、
「今日のお昼は豪華にしました。牛肉のすきやきです」
と伝えたら、
「あら。いいじゃない」
と嬉しそう。
しばらくしてから台所に戻ってきたツレが、
「ん?あ?あれ?これ?」
テーブルの上の小鉢を見つけて、
「すきやきってこれのこと?そうかぁ。焼いたのかと思ったよ」
と、ほ~んの少し残念そうに言っていました。
変に勘違いさせてしまったようで、申し訳なかったです。
申し訳なかったのですが、今だ「本物のすき焼き」とやらを自分で作ったことがないらっこが焼いたお肉よりも、きっと、おいしいはずです。
きっとね。
伝統の味なのだそうですが、らっこは頂くまで、今半というのは存じ上げませんでした。
ほかのいろんな種類の佃煮もいただいた身といたしてしては、もう、すっかり覚えてしまいました。
びっくりするくらい、全部おいしかったんですもの。
ツレを少しがっかりさせてしまったお昼は、どんぶりによそったご飯とすきやき。
らっこは、無性に食べたくなった納豆と一緒に。
ごはんが入っている器は、冷凍ごはんをレンジで温めた耐熱容器です。
まずは納豆とは別々に。
「いただきます」
おおぉ……
まったく期待を裏切らないおいしさでした。
やわらかさと歯ごたえと甘さとしょっぱさ。
お見事です。
不思議といいますか、温かいお肉が好きならっこなのですが、袋詰めされて常温で保存しておいたお肉が、なんでこんなにおいしいのか。
なかなかどうして勘違いしてしまいがちなこぎ母がひとり、
「うっわ~。おいしいぃ!らっこさん、味付け上手だねえ~」
と、らっこが作ったものだと感心してくださっておりました。
もちろん、
「○○さんからいただいた、牛肉の佃煮ですよ。プロの味付けです。おいしいですねえ。今半ですって」
らっこが訂正して、こぎ父も訂正してくださいました。
「○○さんが贈ってくださったじゃない。有名なお店のすきやきだって」
なかなかどうも、今回は伝わっていなかった気配も感じますが、頂き物ですよ~!
ツレが苦笑いしながら、
「いいんじゃない?らっこが作ったことにしておいても」
なんて言って、面白がっていました。
すきやきと納豆のコラボレーションにも、らっこの口は大喜び。
最初によそったすきやきを食べきったあとには、
ゆで卵、市販の味噌漬けきゅうりと大根をごはんに追加してぺろり。
贅沢で豪華なお昼ごはんでした。
らっこが満足してお腹を叩いていたら、食卓に残っていたすきやき発見。
スプーンでよそい切れるほど、ほんの少し残っていました。
「あらまあ。なんですか?この遠慮の塊みたいな残し方は!」
ポロリと口から洩らしたら、
「そういえば、□□がよくそんな言い方していたなあ。遠慮の塊って」
ツレの中の、あまりいい気分になれない記憶を呼び起こしてしまったようでした。
「食べたらいいよ?」
とツレが言ってくれたので、喜んでいただきました。
ひと口で。
らっこには、遠慮のひと片もなかったのでした。
おいしかったです。
ごちそうさまでした。
○○さん
おかげさまで、みんなでおいしくいただきました。
ありがとうございます。