らっこ飯 暮らし

夕ご飯はお刺身|らっこがなんにも作っていない飯|こーぎー飯

ツレのこーぎーが盛り付けてくれたお刺身です。

らっこのやる木が枯れてしまった気配を感じ取ったのでしょうか。

一緒に買い物に出かけたツレ(こーぎー)が、お刺身を選んでくれました。

らっこにとってお刺身は、あまりに贅沢でいただくのがもったいなくて申し訳ないのと、魚の肉を食べるという行為への小さな罪悪感のため、嬉しいんだけど喜べないメニューのひとつでした。

だからどっちなんだよ、という感じですが、あればいただくけれども、自分から両手をひろげて喜んでは食べられない気分と言いますか。

こーぎー家では、たぶん、らっこ以外、こぎ父もこぎ母もツレも、お刺身がとてもお好きなようです。

スーパーのチラシにお刺身特売の記載があると、こぎ父かツレがチェックをしているようですし、お刺身を買って帰ると、こぎ母もとても喜んで食べてくださっています。

お刺身は、食べなくてもいいなら食べなくてもいい気分ならっこが、お刺身を選んでいるツレにききました。

「またお刺身ですか?」

「ん?お刺身だったら、切るだけで食べられるから、らっこが楽だろうと思ってさ」

「……(え?)」

ツレがお刺身を好きということも勿論あるのでしょうけれど、まさか、「切るだけで食べられる」という作業のことまで考えてくださっていたとは思ってもみませんでした。

ただ、やる木が枯れているらっこには、その「切るだけ」すらもやる気が起こらず、「楽じゃないんだけどな……」言葉にはしませんでしたが、そんな表情をツレに読み取らせてしまったのかもしれません。

 

買い物を終えて帰ると、ツレが、

「お刺身だけ切って、すぐに食べられるようにしておこうか」

と言ってくれたので、お言葉に甘えて切ってもらうことにしました。

お台所をツレに任せ、らっこは部屋に戻りました。

その日、柵で買ったお刺身はサーモンひとつで、そんなに時間もかからないだろうと思っていました。

サーモン以外に買ったのは、アジと赤貝とイカの切り身で、切らなくても、お刺身のパックそのままでテーブルに出して並べれば食べられるものでした。

 

 

・・・・・・

 

 

ひと柵切るだけなのに、ずいぶん時間がかかっているのかしら……?

ツレの様子を見にお台所に行くと、あらまあどうしましょ。

切るものは切ってお皿によそって、お刺身のプラスチックの容器も洗って片づけをあらかた済ませたツレが、まな板を洗っているところでした。

 

らっこは何もしていません。

 

こんならっこでごめんなさい。

 

いつも本当にありがとうございます。

 

いろどり綺麗に盛られたお皿が並ぶテーブルを見て、こぎ父は、

「お?(笑顔笑顔)」

こぎ母も、

「あらまあ(笑顔笑顔)」

 

ツレが盛り付けてくれるお皿は、ツレのセンスとアジの皮目が光っていました。

まるで何かのお祝い事かのように、きれいにが盛り付けられたお刺身です。

まるで何かのお祝いの席のようです。

両手を合わせて、「いただきます」

 

何もしなかったらっこも結局、おいしくいただきました。

とってもおいしかったです。

 

ごちそうさまでした。

 

らっこのやる木に、少しずつ水を与えてくれるツレ。

やる木に水が、少しずつ、しみてきたような今日この頃です。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

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