白昼堂々、息子を名乗る男から、オレオレ詐欺の電話がありました。
通話を録音したので、聞いてみてほしいと思います。
電話の相手はかなりの大根役者で、つっこみどころしかありません。
電話に出たのはこぎ父です。
4回かかってきた電話の一部始終です。
音声は約8分。
録音とアップデートの作業に慣れておらず、音量が小さいかもしれません。
すみませんが、ボリュームを確認しながらお聞きください。
オレオレ詐欺の通話記録(文字起こし)
犯人とのやり取りの記録です。通話を録音したので、文字にも起こしてみました。
らっこのツッコミと共にお届けします。
1度目の着信(詐欺電話)
お昼。
非通知で着信あり。
こぎ父が電話に出る。
午後12時32分。
以下
こぎ父:父
犯人:犯人
らっこ:ツッコミ
父:もしもし。
犯人:もしもし。
父:もしもし?
犯人:あー、お昼ごろ電話したけど、家にいなかったの?
ツッコミ:こうやって名乗らずいきなり喋りだす。時々かかってくるんですよね。こういう電話が。ずっといたわ。
父:どなた様ですか?
犯人:あれ?(聞き取れません)でしょ?お父さんでしょ?今電話出てるの?
父:そうですよ。
ツッコミ:誰のお父さんだこらあ?
犯人:ああ、そっちに郵便局から電話来てない?
父:郵便受けから?
犯人:うん。郵便局から。
父:どんな郵便ですか?
犯人:あ、違う違う。電話電話。
ツッコミ:つーか、年上にナニタメ口きいとんじゃい。
父:ん?どんな電話なの?
犯人:あ、今日郵便局行ってね?
父:ええ。
犯人:仕事で使う書類を郵送したんだけどさあ。
父:ええ。
犯人:あー、勘違いして、別の会社の宛先書いて送っちゃったんだよ。
父:ええええ。
犯人:あーん。だからすぐ気づいて郵便局戻ったんだけどさあ、
父:はいはい。
犯人:あー、郵便局の配達のトラックあるでしょう?
父:ええええ。
犯人:今それが出ちゃっててさあ。
父:ええええ。
犯人:ううん。次の営業所止まり次第また連絡しますって言ってくれてんだけどねえ?
父:ええええ。
犯人:ああん。今自分の携帯の充電切れちゃったからさあ、
父:うんうん。
犯人:ちょ、そっちの家の番号教えたんだよお?
父:うんうん。
犯人:ああん。だから電話来てないかなと思ってえ。
父:ふうん。
ー無音ー
父:もしもし?
犯人:もしもし?
父:うん。それでどうするの?
犯人:あー、だ、たぶん郵便局の人から電話くるからさあ
父:はいはい。
犯人:そしたらちょっと待っててよ。
父:うんうん。いいよ?ああはいはい。
犯人:どこも出かけないでしょ?
父:はいはい、いますよ?
犯人:ああ、今一人?
父:今一人ですよ?
ツッコミ:こぎ父!なぜそこで嘘を?家に一人でいるのか聞き出していますね。
犯人:あーー、じゃあちょっとさあ、電話だけ気にしといてえ?
父:うん。わかりました。
犯人:ああ、ああ、ごめんね。
父:はいはい、わかりました。
犯人:ああ。はい。じゃあね?
父:はいはい。
2度目の着信(詐欺電話)
12時34分。1度目の電話から約10分後。
2度目の着信。
父:もしもし?
犯人:あ?もしもし?
父:はいはい?
犯人:ああ、ごめんごめん、ちょっとさっき伝え忘れたんだけどさあ。
父:はい。
犯人:ああ、郵便局から電話くるって言ったでしょう?
父:はいはい。
犯人:ああ、担当してくれる人がねえ?
父:はい。
犯人:日本郵政のナカムラさんっていう人なんだよお。
父:はいはい。
犯人:ああ、その人が電話くれるからさあ、
父:はいはい。
犯人:あー、これ仕事で使う書類だからねえ?
父:はいはい。
犯人:あー、本人しか受け取りができないみたいなんだよお?
父:はいはい。
犯人:うん。だから自分でそこまで取りに行くからさあ。
父:はい。
犯人:どこの郵便局に取りに行けばいいですかって聞いておいて?
父:はいわかりました。
犯人:もしもしい?
父:はいはい。
犯人:あれっ?
はいはいって、
誰としゃべっているかわかってる?
ツッコミ:こうやって名前を聞き出すのか。
父:わかっているよ?
ツッコミ:こぎ父ナイス!よくぞ名前を言わずに堪えた!
父:それで?あのお、ええと、郵便局から電話あったらそういう風にすればいいんだね?
犯人:そうそうそう。聞いといてえ?
(よく聞こえない)までは自分で取りに行くからさあ、
父:はいわかりました。
犯人:ああ。
父:はい。
犯人:じゃあちょっと、このさあ、もしもしい?
父:はいはい。
犯人:送り間違えた書類もねえ?
父:はい。
犯人:今あ、この携帯借りてる部長さんにもさあ、
父:はい。
犯人:ちゃんと相談したんだけどねえ?
父:はい。
犯人:ああ、やっぱすごいこっぴどく怒られちゃってさあ。
父:はいはい。
犯人:ああ、今日の契約で使う大事な書類みたいなんだよお。
父:はいはい。
犯人:ああん。だから今部長さんもねえ?
父:はい。
犯人:書類の作り直しもできるからって言ってくれていて、会社に言わないでかばってくれているからさあ、
父:はいはい。
犯人:一応ちょっとナカムラさんにもさあ、
父:はい。
犯人:大事な契約書類ですとか言わないどいてえ?
父:はい。わかりました。
犯人:ああん。
父:はい。
犯人:じゃあまあ解決するまでは(聞き取れません)伝えただけの話はしておいてねえ?
父:はいわかりました。
犯人:ああ。
父:じゃあ電話待ってますから。
犯人:ああ。じゃあねえ?
父:はい。はいはい。
3度目の着信(詐欺電話)
午後1時3分。2度目の電話から、約30分後。
3度目の着信。
父:はい、もしもし?
犯人:あ?もしもしい?
父:はいはい?
犯人:ああ、もう郵便局から電話来たあ?
父:まだ来ませんねえ?
犯人:ああ、来てない?
父:ええ。
犯人:ああ。嘘お。ああ今部長さんとさあ、
父:はい。
犯人:送り間違えた書類の作り直ししてんだけどさあ、
父:はい。
犯人:ううん。部長さんだけ先方さんに呼ばれて会議室に行っちゃったんだよお。
父:はい。
犯人:ああん。で、気になって中覗いてみたらねえ?
父:ええ。
犯人:部長さん何一つ悪いことしてないのにい、今土下座までして謝ってくれてるんだよお。
父:ほおほお。
犯人:ううん。書類の作り直しもしてるんだけどさあ、
父:はい。
犯人:枚数も多いからさあ、
父:はい。
犯人:電話来てた方が早いなって思ったんだけど、
父:まだ来てないですねえ。
犯人:ああ。あーもしもしい?
父:はいはい。
犯人:あー今部長さんちょっと戻ってきたからさあ。
父:はいはい。
犯人:またちょっと話して折り返すよお。
父:はい。わかりました。
犯人:ああ、ごめんね。
父:はいはい。
ツッコミ:こぎ父が、話が無茶苦茶で相槌打つのが面倒くさくなってきたご様子。
ひとり芝居。まったく。
4度目の着信(詐欺電話)
午後1時17分。
4度目の着信。
詐欺の核心。現金を求めてくる。
父:もしもし?
犯人:あ、もしもしい?
父:はいはい。
犯人:ああ、どお?郵便局から電話来たあ?
来ないのわかっとるんじゃろうが
父:まだ来ないですよ?
犯人:まだ来ない?
父:はい。
犯人:ああ、嘘お。
ツッコミ:テメーの話がな。
犯人:ええ、今部長さんにも話してきたんだけどさあ。
父:はい。
犯人:うんと、送り間違えた書類の中にねえ?
父:はい。
犯人:ううん、送金カードっていうお金のカードまで一緒に入っていたんだよお。
父:はあはあ。
犯人:ああ。それも先方さんに渡す大事なカードだからさあ、
父:はい。
犯人:もし、誰かに取られて悪用とかされ
ー無音ー
父:もしもし?
犯人:もしもし?
父:悪用されたら?
犯人:んー、困るでしょお?
父:そうだねえ。
犯人:ああん。だからすぐ一応部長さんがさあ、
父:うん。
犯人:銀行さんに掛け合ってくれてえ、
ツッコミ:銀行にさんつけて丁寧に話すんだなあ。
犯人:止める手続きと再発行の手続きはすぐ済んでくれたんだよお。
ツッコミ:済ませてくれた、じゃなくて、「済んでくれた」という地域?方言か?
犯人:止める手続きはすぐできたからさあ、悪用の心配はないから
父:うん。
犯人:ああ、どうしよう、再発行はさあ、
父:うん。
犯人:もう今日の今日にはできないみたいでえ、
父:うんうん。
犯人:明日のお昼になんないとできないって言われちゃってんだよお。
父:うんうん。
犯人:ああ、でちょっと先方さんとの契約がちょっと今日の話だからさあ、
父:うんうん。
犯人:ううん。明日までに延ばせないかお願いはしてみたんだけどねえ?
父:ううん。
犯人:うーん。先方さんもどうしてもお、契約の後に手続きとかあるからさあ、
父:うんうん。
犯人:明日まで伸ばすのは厳しいって言われちゃったんだよお。
父:うんうん。
犯人:その送金カードをもう止めちゃったからさあ。
父:うんうん。
犯人:用意できないこと伝えたらねえ?
父:うんうん。
犯人:うーん。まあ、先方さんもちょっとは折れてくれてさあ。
父:うんうん。
犯人:ううん。部長さんのことも知らない顔じゃないしねえ?
父:うん。
犯人:うーん。いつも一緒に仕事して信用しているからって言ってくれてえ。
父:うんうん。
犯人:もしその送金カードが用意できなかければねえ?
父:うん。
犯人:現金での決済でもいいですよって折れてくれたんだよお。
父:うんうん。
ツッコミ:出ました。お金のはなし。
犯人:ああ。で、急に現金でさあ、決済することになったからねえ?
父:ううん。
犯人:部長さんにちょっとお金はどうするんですかってえ、確認したんだよお。
父:うんうん。
犯人:うん。で、部長さんはあ、お前お金のこと気にしなくていいからって言ってくれて、
父:ううん。
犯人:ああ。書類の作り直しに専念しろって言われてるんだけどさあ
父:うん。
犯人:なんかやっぱり自分で送り間違えちゃったことだからさあ、
父:うんうん。
犯人:ほんとに大丈夫なんですかって確認したんだけどねえ?
父:うんうん。
犯人:部長さん今あ、自分のお母さんにまで相談してくれてるみたいでさあ
ツッコミ:相談するとこ違うだろ。
犯人:うん。部長さんの家族まで巻き込んじゃってるんからねえ?
父:うん。
犯人:ほんと申し訳ないなって思っていて、電話変わって挨拶したんだけど、
父:うん。
犯人:うん。部長さんのお母さん今、今年で94歳になるっていうんだよお。
父:うん
犯人:よくよく話聞くとお。
父:うんうん
犯人:おばあちゃんひとりでさあ、銀行さんとか行ってくれてるみたいなんだけどさあ、
父:うんうん。
犯人:もしかしたらちょっと下ろせないかもしれないってえ、部長さんも頭抱えててさあ、
父:うんうん。
犯人:ああん。だからもし、ちょっと部長さんと部長さんのお母さんの方でさあ、
父:ううん。
犯人:いくらか集まればいいんだけどさあ。
父:ううん。
犯人:もしちょっと足んなかったらさあ、
父:うん。
犯人:今からちょっと仕事抜け出してそっちまで取りに行くからさあ、
父:うん。
犯人:うちからもいくらか協力できないかなあ?
父:ううん。
犯人:今家にまとまった金額置いてたりしない?
父:それはないねえ。
犯人:あああ。銀行さんは?
父:あのお、遠いからねえ?
犯人:ん?(聞き取れなかった様子)
父:ここから遠いじゃないねえ?
犯人:あああ。
キャッシュカードは何枚か持ってる?
父:いやあ、そんなにないですよ?
1枚しかないからねえ。
犯人:あああ。
どんぐらい預けてんの?
ツッコミ:預金の残高を聞き出そうとしてきたか。
父:いやあ、そんなことは、言えないからさあ。
犯人:ああ。
父:それは、あの、秘密だからね?
ツッコミ:こぎ父。不用意にしゃべらず、ぐっとこらえてくださいました。これ、家で一人で電話を受けていたら、言ってしまいそうな動揺っぷりじゃあないでしょうか?
犯人:家にはさあ、今いくらかない?
父:全然ありませんよ?
犯人:ああ、そうなの?ゴホン
父:はい。
犯人:まあいいや。部長さんに甘えてみるよお。
父:はい。
犯人:郵便局の電話だけ待ってて?
父:はい。わかりました。
犯人:じゃあ、ごめんね?
父:はいわかりました。
ー通話終了ー
もちろんこの後、日本郵政のナカムラを名乗る人からの電話はありませんでした。
合掌
特殊詐欺の電話を受けて思うこと
人を騙すことに人生を使わないで、真っ当に生きろや。
お天道様は見ているのだ。
この人物の、語尾を伸ばす喋り方と、どこかの訛りなのでしょうか。
訛っとる。
お母さんが泣くぞ。
代わりにらっこが泣いてやる。
電話の後、#9110の電話相談にかけてみましたが、通話中で繋がりませんでした。
「自分は騙されない」
「自分は絶対大丈夫」
詐欺の手口はどんどん巧妙になっているとの報道を見聞きします。
もし家に一人でいるときだったら?
もっともらしいことを言われたら?
家族の名前やその他の情報を知っていたら?
また詐欺の電話がかかってきたときに、自分がどんな精神状態になってしまうのか?
日頃から、互いに連絡を取り合っておくことの大切さを感じます。
録音ができる電話機だったため、こうして振り返ることができていますけど、いくら詐欺とわかっていても、犯人の話しを聞くのは気分が悪い。
怪しい電話には、出ない。
怪しいと思ったら切る。
今日も今日とて、世界が平和で心が穏やかで過ごせますように。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
追記
電話があった翌日。
何かできることはないかと、最寄りの警察署に電話をかけました。
詐欺の電話があったことを伝えると、担当の窓口に回してくれました。
息子を名乗った電話があったこと、被害は無いけど、通話を録音していたので、防犯対策でもなんでも、何かの役に立てることはできないかと、相談してみました。
~非通知での着信ということもあり、捜査が進むということはないけれど、捜査員が犯人の声を聞いておくことは意味があると思うから~
ということで、「来週、録音を聴きに行きます」と言ってくださり、住所と電話番号をお伝えしました。
結局、その後一週間、何の音さたもなく、捜査員の方に録音を聴いてもらうことにはなりませんでした。
混乱と同情を誘うような嘘のストーリーを作り上げ、名前を聞き出そうとしたり、手持ちのお金、銀行の預金、キャッシュカードの枚数を聞き出そうとする生々しいやり取り。
興味本位で構いません。
是非、聞いてみてください。
そして、もしもそんな電話がかかってきたら、自分だったらどう対応するだろうかと、想像してください。
らっこは想像すると、何度考えても、身内の名前を自分から呼びかけてしまいそうになります。
「今誰と話してるかわかってる?」
「わかっているよ。○○でしょ?」
みたいに。
「わかっているとも。お前が名前をちゃんと言いなさいな」
とか必要ありませんね。
電話をガチャンと切ってしまうことが一番。
その前に、留守電にして出ないことが防犯だそうです。(警察のHPより)
ですが、お知り合いの方でも、留守番電話の録音にメッセージを残してくださらない方もいますから、出るんですよね、電話。
気をつけましょう。
気をつけます。