一時は寝たきりを覚悟した母も、手術によって脳卒中の後遺症による左半身の麻痺が改善し、ちょうど入院から1ヶ月目に車いすなしでトイレへ行けるまでに回復しました。
総合病院から回復期リハビリテーション病棟がある病院への転院も決まり、母にはこれから本格的に家へ帰るためのリハビリ訓練が始まります。
このページでは脳卒中で倒れた母の入院29日目~31日目の介護記録を綴っています。
入院29日目、父がリハビリ専門病院の見学へ
現在母が入院している総合病院でも、脳卒中後の後遺症のリハビリ訓練を受けることはできるのですが、土日は療法士の人数の関係からリハビリ訓練が実施されないこともあります。
入院29日目の今日現在、母は歩行器を使って歩けるところまで回復しており、麻痺していた左半身も目覚ましい回復ぶりを見せています。
医師や病院のリハビリ相談員によると、リハビリ専門の施設への転院が今の母には一番望ましい方法だということで、ハビリ相談員にいくつかの施設を当たってもらっています。
私は昨夜遅く就寝したので寝ていたのですが、朝9時すぎに病院のリハビリ相談員から電話があり、父は現在母を受け入れ可能なリハビリ専門病院の見学へ出かけていきました。
リハビリ相談員の話では、脳卒中を発症した患者を日常生活へ戻すための、回復期リハビリテーション病棟がある病院が母の転院先としては最適な選択肢だそうです。
今日、父が見学に行った病院にも回復期リハビリテーション病棟があり、父曰く一般の入院病棟と違い生活感があってとても雰囲気が良かったそうです。
回復期リハビリテーション病棟への入院には基準があり、発症から入院までが2ヶ月以内、入院期間が150日以内までと定められています。
回復期リハビリテーション病棟への入院希望患者数は多いらしく、なかなか希望する時期、施設に空きを見つけることは難しいようで、1週間前に打診した母の転院先候補から連絡があったのは、今日父が見学に行った病院1件だけです。
まもなく母が脳卒中を発症してから1ヶ月になりますので、あまりのんびりしているわけにもいかなくなってきました。
母の転院先が見つからないなんてことになったら、それこそ我が家は大変なことになります。
今日父が見学に行った病院は交通の便がやや悪いので、父が母の様子を見に行くのが少し大変かなと危惧しています。
私が夕食後に母の様子を見に行ったとき、ちょうどひとりでトイレへ入っていました。
少し前までは、私も母のトイレでの排泄を手伝う必要があったのですが、今は看護師さんひとりで全然問題ないようです。
トイレからベッドへ戻るとき、車いすからベッドの柵へ手を伸ばし立ち上がる動作も、ずいぶん安定してきました。
苦労していた左手でのグーチョキパーも、だいぶスムーズにできるようになり、お椀を持っての食事もできそうです。
やはり、左目の視力だけは回復しないようで、リハビリでも見えづらい左側を意識する訓練が多いようです。
なんにしても、徐々に以前の母に戻っていくようで、また一緒に暮らせる日が早く来ることを願っています。
入院30日目、歩行器なしで歩く
朝、母が入院している病院のリハビリ相談員から電話があり、昨日父が見学に行ったリハビリ専門病院以外に母の受け入れができる病院が現在見つからないことから、母の転院先はその病院に決定しました。
母が入院してから1日も休まず動き続けている父も『これでほっとした。』と、ようやく母と私たち家族のこの先が見えて、少しは心とからだが落ち着くのではないかと思います。
母の転院は11日後に決まり、リハビリ相談員が介護タクシーの手配も済ませてくれました。
ただ、入院案内には差額ベッド代が月に8万円弱もかかるという記載があり、入院費についてはもう少し詳しく話を聞く必要がありそうです。
母の要介護度認定調査については、今日は市役所の担当者が外出しているとかで、まだ日程は決まっていません。
いつも通り、午後から母の様子を見に行った父によると、今日は歩行器を使わずにリハビリ療法士と向き合いながら、リハビリ室を1周歩いたようです。
ちょうど歩けるようになった赤ちゃんが、親のいるところへ歩いていくようなイメージでしょうか。
私が夜様子を見に行った時も、母は昼間に自分の足で歩いたことを覚えており、とても満足げに私に話してくれました。
『早く家に帰ってがしゃがしゃ動きたい。』と言っていました。
また、家に帰ったら布団ではなくベッドが楽でいいと話していて、やはり家に帰りたいんだなということは感じます。
母に自分がどれぐらい病院に入院しているかと聞かれたので、今日で30日目、約1ヶ月になることを伝えると少々驚いた様子で『そんなに・・・』とつぶやきました。
今日は私が何かを尋ねると、母は『そうそう』と相槌を返すことが多く、気分がよかったのでしょうか、話のテンポが快調でした。
私が行ったときにはすでに食後の歯磨きも終えていて、トイレも済ませ、水を飲ませてあげると気持ちよさそうにベッドに横になりました。
昼間に連れと、母が転院先で履くズボンを買いに行ったのですが、病人っぽくなく、動きやすいものを探すのは結構大変でした。
サイズが合うかどうかもわからないので、試しに1本買って父に明日病院に持って行ってもらって、リハビリに向いているか確認してみることにしました。
入院31日目、車いすなしでトイレへ
母の入院している病院では、週末のリハビリ訓練は土日いずれか1日のみとなっていて、土曜日の今日はリハビリがなかったと母の様子を見に行った父から聞きました。
まだ頭の中が完全には整理されていないようで、母は自分がなぜ入院しているのか理解していないようです。
転んで頭を打ったことが原因で入院していると、母は現在思っているようです。
そして、母はインプラント治療を受けているため入れ歯が1本もなく、歯磨きをするときなどに看護師さんに『歯が綺麗』と褒められることを自慢していました。
80歳にして入れ歯が1本もない人は、なかなかいないんじゃないかと思います。
母はこれまで定期的に歯科検診に通っていたのですが、歯科医師の名前を思い出してもすぐ忘れてしまうらしく、一度面会に行くと5回は『歯の先生の名前はなんて言ったかしら?』と私に聞いてきます。
今日の夜、私が母の様子を見に行ったときは、ちょうどトイレのためにナースコールをしていたところで、病室にいた看護師さんに直接お願いすることにしました。
今日の昼にはまだ車いすでトイレに行っていたと父から聞いていたのですが、なんと、母は車いすなしでトイレに行くことができるようになっていました。
担当の看護師さんがいい方だったせいもあると思いますが、洗面所での手洗いも立ったままできるようになりました。
母と私たち家族の今後の生活を一時は悲観したこともありましたが、ここ最近の母の回復具合を見る限り、悲観することなどないと思えるようになりました。
以前のように普通に暮らせるようになるんじゃないかと思わせてくれる母に、なんだか私も元気づけられます。
医師から説明があったのか、『違う病院に移るんだって?』と、母は自分がそろそろ転院することを知っている様子でした。
母を不安にさせないよう、直前まで転院することは母に伝えないようにしようと私たち家族は話していたのですが、余計に気をまわしすぎていたのかもしれません。
当の本人は転院することを知ってもケロッとしています。
母のリハビリ専門病院への転院は10日後なのですが、月額約8万円かかる差額ベッド代の内訳がややわかりづらく、そのあたりをどうするかが今の我が家の課題です。