介護 暮らし

出来事も感情も、忘れてしまうこともあるらしい(後日談3)|らっこ

こぎ母は、大好きだったワトソン先生のことを時々思い出していました。

こぎ父に「ワトソン先生は元気?」と尋ねては、事実を知っては何度も悲しんだり戸惑ったり納得したりしていました。

電話が鳴りました。

<これまでの話>


事実を伝えるこぎ父
出来事も感情も、忘れてしまうこともあるらしい(後日談2)|らっこ

大好きだった恩師が亡くなったことを知ったこぎ母は、深く悲しみ涙を流しましたが、時に記憶は広大な海を漂流しているようです。 <これまでの話> 「ホームズ先生とワトソン先生は元気?」 こぎ父に尋ねます。 ...

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電話で話すこぎ父

ワトソン先生のご家族からのお電話だったようです。

しばしこぎ父とお話をした後で、こぎ母とも電話を替わってしばらく話をしてくださっていたようでした。

電話で相槌を打つこぎ母

5分か…10分か…

こぎ母はほとんど聞き役。

ずっと「ええ」と相槌を打っていました。

電話での様子だけなら、こぎ母が普段こぎ父に

こぎ父にワトソン先生は元気かと尋ねるこぎ母

そんな風にきいているなんて思いもしないでしょう。

ですが残念にも思いました。

 

多分、
こぎ母は、
お話の内容も、
お話を聞いたことも、
記憶の海に放ってしまうのでしょうから。

 

こぎ母の電話に耳をそばだてるらっこ

そうはいってもワトソン先生はこぎ母の先生です。

ワトソン先生のご家族の方がこぎ母にお話をしてくださったことは、こぎ母だけが知っていればいいことなんだと自分に言い聞かせ、盗み聞きはしないでいました。

まあ、当然なんですが。

 

 

こぎ父から少し、こぎ父が聞いたというお話を聞きました。

納骨は翌月だそうです。

こぎ母が、お電話でたくさんお話を聞いたことで少しでもこぎ父への「安否確認」が減ったらいいなと思うらっこでした。

 

まあ、実際はそれほど減ったりもしないんですけど。

マイペースに時々思い出してはこぎ父に尋ねています。

 

もう少しだけ、続きます。

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