箱根のお土産をいただきました。
箱を見ながらしばし停止。
黒ごま……?
黒ご??
さんう???
黒ごうさん????
真っ黒の箱を見て、すぐに黒ごまを連想したのですが、商品名が読めません。
・・・
・・・
・・・!
ご黒うさん!
ごくろうさん。
はいはい。
ご黒うさんでした。
箱を開けると、おうおう。
ビニール越しからでもわかる、つやつやと黒光りしたお饅頭が並んでいます。
さっそく、いただいてみます。
お皿に出そうとしたら、ビニールをはがすときに、お饅頭の生地がビニールに残ってしまいました。
ええ?
お饅頭の生地って、こんなにつやつやしているものでしたっけ?
商品の説明を読んでみると、夜空にあるけど見えない新月をイメージした、黒々まんじゅうだそうです。
お饅頭から月をイメージできるほど形はまん丸くはありませんが、新月だそうです。
なるほど。
ごまあん、黒糖生地、箱根の竹炭で真っ黒にしているのだそう。
黒くすることにこだわって、丸さにはこだわらなかったようですな。
お皿にのった艶っつやの表面は、見ていてとても気持ちがいいです。
眺めていたい気持ちと食べたい気持ちだったら、食べる方でしょ。
かじりつく前に半分にしてみました。
おおぉ。
中のごまあんも見事な黒。
「いただきます」
お、甘くない。
甘すぎない、という表現の方がしっくりくるかもしれません。
ツヤツヤの生地は控えめな甘さで、中のごまあんも甘さは控えめ。
十分お菓子としては甘いですけど、ひとつをパクパク食べられる甘さ。
ごまの香りを感じる前に、ぱくりと食べてしまいました。
お箸で食べたので、ツヤツヤの表面がお箸に引っ付いてしまいましたがご愛嬌。
こぎ母もとても気に入ったようで、
「おいしい。これはふたつ食べないと満足できないよ。ひとつじゃ足りないね」
そう言って続けてふたつ目を手に取りました。
こぎ父もツレも私も、ひとついただいて結構満足感があったので、こぎ母だけが一度にふたつ。
ひとつ目はいつの間にかなくなっていて、間を開けることなくふたつ目も口に運んでいました。
あらまあ。
ごはんが足りなかったのでしょうか?(おそばを食べた直後です)
しばらくしたら、こぎ母がふたつ目の残り半分のお饅頭をお皿に置いていたので、
「後で食べますか?残しておきます?」
とたずねたら、
「ううん。食べちゃう。食べられるよ」
と言って、静かにぺろりと食べてしまいました。
ツレと顔を見合わせて、「食べちゃったね」と言って笑いました。
夏の猛暑が続く中、こぎ母の食欲が健在で安心します。
「酸味があっておいしいよ」
とはこぎ母。
お饅頭のどこに酸味を感じたのかは謎ですが、味覚が敏感らしいこぎ母の言うことですから、酸味を感じさせられる何かが入っているのかもしれません。
竹炭でしょうか?重曹かな?
なんだろうな。
「ごちそうさまでした」
と笑ったこぎ母の顔は、お饅頭の皮がところどころ歯に残っていて、まるでお歯黒。
くすくす。
素敵な笑顔をありがとうございます。
私は酸味は感じませんでしたが、おいしかったです。
自分の分の残りは、明日いただきます。
ごちそうさまでした。
お土産、どうも、ありがとうございました。