秋田の郷土料理、たんぽを作ってお鍋にしました。
本場の方からはいろいろツッコミが入りそうな気もしますが、らっこ鍋ということでご勘弁を。
こぎ父とこぎ母は、たんぽ初体験だったそうですが、喜んでいただけました。
たんぽ
米 3合
新米3合で、普通に炊飯器で炊きました。
らっこ、たんぽを作る
1.炊いたご飯を半殺しにして、串に巻き付けて程よく焼きます。
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工程だけを書き出すと、なんでもないような気もするのですが、らっこが作るとそういうわけにも……
こぎ母がいつも通りに準備してくださったお米を、普通に炊飯器で炊きます。
炊きあがったご飯を、一般的には、普通は?常識的に?すり鉢に移してすりこ木ですりつぶすと思います。
らっこ、炊飯器のお釜なら、ごはんがこびり付かなくていいかなと思い、炊飯器のお釜のまま、ヘラでねちねちやりました。
半殺し
ごはんの粒を半分残してつぶすことを、半殺しという言い方をするのですが、地域限定ですか?
半分ってどのくらいなのか、いざやってみるとよくわからない……
このくらいかな?というところで、ごはんを8等分にして、丸いおにぎりを作ります。
炊飯器でご飯を潰していたので、あまり冷めていなかったごはんが熱かった……
本物のたんぽは、杉の木の串にさして作るそうです。
香りがいいのだそうで。
そんな串ないわっ、てことで、割り箸を濡らしてご飯を巻きつけます。
たんぽを作ったのは、20数年前、小学生の頃に叔父の家で作った記憶が最後です。
作ったという記憶はあるのですが、何をどうしたという記憶がまったくないので、もしかしたらその時は、ただ見ていただけかもしれません。
20数年ぶりのたんぽ作り。しかも一人で。
思ったよりは、それらしい形にできました。
らっこが作る前にいくつか見たレシピでは、まな板の上で転がして、表面を平らにならすのだそうです。
これはまったく知りませんでした。
なるほど。
塩水を付けながらまとめると、煮たときに崩れにくいのだそうです。
どうどう?たんぽきれいにできたかな?
そう言って誰かに見せたい気分でしたが、誰もいねえ。
らっこ、一人で作っております。
こういう作業は、ワイワイやりながら作ると楽しそうだなあと、遠い目をしながら思いました。
3本目くらいで、おにぎりをウインナー状に軽く伸ばしてから割り箸を刺さずに埋め込むようにして作ってみたら、タテに割れ目が入っていました。
懲りずに4本目もそんな風にして作ったのですが、やはり割れ目が。
もちろん、後から手で馴染ませて割れ目は繋ぎましたが、「お団子ごはんに刺して伸ばす」が間違いないでしょうかね。
8本できました。
いびつって言わないで。一生懸命作ったから。
いびつだわ。(自分で言う)
ごはんの量が等分できていなかったのか、単にらっこが不器用なのか。
どっちもか。
魚焼きグリルで焼こうとしているので、割り箸が焦げるかな?と思ってホイルを巻いてみました。
たぶん、割り箸にホイルを巻かなくても、焦げはしても燃えないだろうとは思いますが、巻かずに焼くより安心感はありました。
魚焼きグリルを余熱でしっかり温めて、焼きます。
1度に4本焼けそうです。
弱火で5分。
ちっとも焼き色がついてこなかったので、中火にして数分。
やっぱり焼き色がついてこなかったので、強めの中火で焼きました。
片面焼きなので、ひっくり返します。
焼き始めて15分で取り出しました。
もっと焼いてもよさそうですね。
あまり焼きが足りないと、煮たときに崩れやすいのだそうです。
煮崩れなかったから大丈夫でしたけど、参考焼き色はこちら。
お土産でいただいた「たんぽのストラップ」です。
こんなふうに焼けたらよかったです。
残りの4本を焼きながら、お鍋の準備です。
らっこ、きりたんぽ鍋を作る
きりたんぽ鍋
たんぽ 1人1本から2本(3等分に斜め切り)
たんぽツユ (比内地鶏の鶏がらスープにしょう油で味をつけたもの)人数分
鶏肉(モモ)200~300g ひと口大に切る
ごぼう 1本(ささがき)
しらたき 1パック(お徳用の400g入り。食べやすい大きさに切る)
里芋 1人3個くらい(下茹でして皮をむいておく)
舞茸 2パック(小房に分ける)
長ねぎ 2本(斜め切り)
せり 1束(食べやすい大きさに切る)
1.スープを煮立たせて、鶏肉、ごぼう、しらたき、里芋、舞茸を加えて煮立たせます。
2.たんぽとねぎを入れて約3分煮たら、最後にせりを加えて火を止め、器によそいます。
「いただきます」
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近所のスーパーで、珍しく入り口すぐの野菜売り場の前に、3本入りのたんぽ(真空パックだったかな?)が売られていました。
「わっ。ツレさん!たんぽです!」
たんぽに嬉しそうに反応するらっこを見て、ツレは「買ったら?」と言ってくれたのですが、残念なことに、たんぽの隣に置いてあった「鍋の素」が、「ちゃんこ鍋の素」だったので、半分がっかりして結局買わずに帰ったのが1週間ほど前。
たんぽの出汁は比内地鶏でしょ。
せめて鶏がらスープの素でおつゆにしようと思い、この日、一人でスーパーに「鶏がらスープの素」を買いに行ったら、見つけました。
ちゃんと置いてくれているんじゃないか!
比内地鶏スープ!
らっこのイメージでは、「たんぽツユ・希釈タイプ」あるいは「たんぽツユ・ストレート」みたいに売ってるんじゃないかと思っていたのですが、「比内地鶏スープ」として売られていました。
たしか、母親は「たんぽツユ」と言っていた気がします。
たんぽが置かれていた野菜コーナーとは一番遠い、精肉コーナーのハムや肉団子などのお鍋セットが売られているところに置いてありました。
誰か、比内地鶏スープをたんぽの横に置いてあげてください。
横浜のスーパーでは、たんぽを買って食べる人はあまりいないのでしょうかね。
らっこも今シーズン初めて見ましたし。
裏面に、ちゃんとたんぽの作り方も載っていました。
ほうほう。
たんぽツユの残りでシメのうどんを食べるんだそうです。
初耳でした。覚えておきます。
1袋が3~4人分だったので、ちょっぴり多めに2袋。(ちょっぴりか?)
お鍋で煮立たせます。
ストレートタイプで希釈しなくていいので楽ちん。
煮立ったところに、鶏肉、ごぼう、しらたき、里芋を加えて再び煮立つのを待ちます。
比内地鶏スープの裏面を読み直し、舞茸を加え忘れていたことに気がついて、後から舞茸をたっぷり加えました、の図です。
舞茸は、あまり煮込まないほうがおいしいような気がしないでもないのですが、そこはやっぱりきのこ。
いい出汁が出るのだそうです。期待します。
お鍋の準備をしながら焼いていた、2回目のたんぽ焼きも今度は順調そうです。
2回目は、最初から強めの中火?ほとんど強火で、焼き加減だけは1回目よりも頻繁に確認しながら焼きました。
らっこは、焦がしすぎるのがこわいのでしょうか。
写真で見ると、もうひと声焼き色を付けてもいいんじゃないかと思うのですが、焼いているときは、この色でも、もういいだろう、と思って火を消しました。
頻繁に返したり向きを変えたりしてみたので、1回目よりはよく焼けたのではないでしょうか。
まな板に出して、串を抜きます。
1回目に焼いた分は冷めていたのですが、さっきまで焼いていたたんぽは熱い!(触るまでそのことに気がつかない間抜けならっこ)
火傷に気をつけましょう。(お前がな)
斜めに3等分するのですが、むむむ。
たんぽの穴よ、どこ行った。
包丁で切る時に、切り口が潰れて穴がふさがってしまいました。
自分で作るのって、やっぱり難しい……
既製品のたんぽを切る時に、包丁にごはんが付いてしまうような経験はありませんでしたが、半殺しが甘かったのか、焼きが甘かったのか、べったりくっついてしまいました。
包丁は水で濡らしながら切りました。
お米3合、たんぽ8本で、山盛り準備できました。
野菜が煮えたお鍋に、ねぎと一緒に投入です。
スープの裏面には、”約3分火を通します”とありましたが、少し前に炊きあがったごはんでほんの少し前に焼きあがったたんぽだったので、煮えたらもういいかしらと、煮え加減が本当はよくわからないのですが、いいかな?と思ったところでせりを加えて、火を止めて器に盛ります。
せりは、根っこも入れるのが本場なんですか?
作り方を調べていたら「根っこも入れる」とありましたが、らっこの母親のたんぽには、せりの根っこは入っていませんでした。
らっこは、買ってきたせりの根っこの泥を落とすのが大変で、入れませんでした。
いつか入れてみようかどうか……泥が……
まあまあ、温かいうちに食べてください。
「いただきます」
二日目のたんぽかと思うくらい、よく味が染みて煮えてくれました。
手作りたんぽならではなのでしょうか。
おいしくできてよかったよかった。
きりたんぽ鍋の余談
そもそも、なぜに横浜のこーぎー家で、らっこがきりたんぽを作ったかといいますと、生まれも育ちも千葉県のらっこの両親の出身地が、秋田県だからです。
ちなみに、焼いて串に付けたままで食べる味噌付けたんぽより、らっこの実家ではほとんど「きりたんぽ鍋」で食べていたので、らっこにとっての「たんぽ」とは、「きりたんぽ鍋のことでもあります」
「この日はたんぽね」
と母親が言えば、それは「きりたんぽ鍋の日」でした。
ツレがらっこの実家に寄った時、母親が準備してくれたのも「たんぽ」でした。
長野県出身のこぎ父と、宮城県出身のこぎ母は、名前こそ知れども食べたことはなかったとのこと。
こぎ母に名前をきかれ、
「たんぽです」
「きりたんぽだって」
「たんぽ鍋?」
「きりたんぽ?」
「たんぽでいいですよ?」
「きり、たんぽ?」
「たんぽを切っているので「切りたんぽ」って言っているんです。「たんぽ」だけでも大丈夫ですよ?」
どう覚えてもらったらいいのやら。
何度も聞いてくれるので、一生懸命覚えようとしてくださっていることだけは伝わり、なんだかうれしかったです。
まあ、すぐに忘れてしまうのですがね。
ツレに、「お鍋」と言われて違和感があったので、らっこにとって、たんぽはたんぽで「鍋」ではなかったのだという発見が自分でおかしかったです。
たんぽは間違いなく、鍋料理なんですけどね。
こういう違いが家庭の違いなんだなあと、たんぽを食べながら考えていました。
実家の母親は、秋田県人らしくよくたんぽを作ってくれていましたが、(ここでのたんぽはきりたんぽ鍋のこと)ほとんど買うか頂いたたんぽで作っていたので、家でたんぽ(ご飯を潰して棒につけて焼いたものの意味)を作っていた記憶はありません。
ただ、太くて長くて立派なたんぽが3本で300円で売られていたのを見たら、なぜか思ったわけであります。
そうだ。たんぽ作ろう。
比内地鶏スープのおかげで、こぎ父もこぎ母も喜んでくださいましたし、「また、らっこさんに作ってもらいたいね」と言ってもらえましたし。
比内地鶏スープのおかげで、ツレが「毎日(たんぽ)でもいいよ」と言ってくれましたし。(わかるわ、その気持ち!)
ありがとう比内地鶏スープ。
ありがとう普通の鶏肉。
ありがとうごぼうとせり。あとはしらたきも里芋もおいしかったよ。
こぎ父がこぎ母にスープの説明を一生懸命してくださっていたのですが、
「比内鶏のだしのスープなんだって。らっこさんが買って来てくれたんだって。きりたんぽは、比内鶏で食べるんだって」
なんだかとても力説してくださっていました。
おおっと。
一応、「比内鶏は天然記念物で食べられないそうでして、食べているのは比内地鶏で……」
細かい説明をしてもらいたいのはらっこの方なのですが(詳しくは知らぬ)、比内鶏ではないことだけはお伝えしました。
喜んでくださったこぎ母は、「○○さんや○○さんにも食べさせてあげたいね」
褒め殺しか。
いつか料亭みたいなところで本物の「たんぽ」を食べてもらった方がよさそうです……(冷汗)
1日目に残った分も、二日目できれいに食べきりました。
おいしかったです。
今度は味噌付けたんぽでも食べたいわ。
ごちそうさまでした。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。